
顧客対応の品質を高めながら、業務負荷やコストも同時に削減したいー
コンタクトセンターが抱えがちな課題へアプローチするには、今やCTIシステムは欠かせない存在です。
一方で、「製品がありすぎてどれを選べばよいかわからない」「製品ごとの特徴や違いが見えにくい」と感じる方は少なくないのではないでしょうか。とくにAI機能を搭載したCTIシステムの進化は急激で、AI機能付きあるいは連携が可能なシステムの導入は、業務効率化や顧客満足度向上に直結するようになっています。
本記事では、国内製品を中心にCTIシステム20製品を厳選してご紹介。AI機能を搭載した製品やAIと連携できる製品が大半を占めていますので、ぜひ参考にしてください。あわせて、CTI活用におけるメリット・デメリット、システム選定時のポイントも解説します。最適なCTIシステムを見つけるヒントとして、ぜひご活用ください。
▼この記事が解決するお悩み▼
国内製品を中心としたCTIシステムを比較したい
各システムの違いや特徴を簡潔に把握したい
AI機能を搭載したCTIシステムを選びたい
CTIシステムとは

コンタクトセンター周りの情報を見ていると、よく見聞きする「CTI」ですが、改めて「CTIとは何か」と問われると、イメージがわきにくいのではないでしょうか。CTIとはComputer Telephony Integrationの略で、電話機能をパソコンと連携させたシステムの総称です。
発着信時の顧客情報(氏名や電話番号など)表示や通話録音、自動応答など、多様な機能を利用できます。コンタクトセンターにおける業務効率化には必要不可欠と言えるシステムです。
CTIシステムのおすすめ20選

コンタクトセンターにおける業務効率化やオペレータの負荷軽減がとりわけ重要度を増している現在、どのようなCTIシステムが効果的と言えるでしょうか。ここからは、国内製品を中心としたCTIシステムを20種紹介していきます。コンタ-クトセンター周りの見直しを考えている方、ぜひ比較検討にご活用ください。
1. Bright Pattern

概要:AIをフル統合したオムニチャネル型コンタクトセンターシステム。一貫性のある優れた顧客体験の提供を目指して設計されている上、クラウド/オンプレ、インバウンド/アウトバウンド、リモートワーク…あらゆる環境や働き方へ対応可能。クラウドPBXと強力なCTI機能を標準搭載。
機能・特徴
- クラウド型CTIにより、オペレータ業務が一画面上で完結。すべての問い合わせチャネルからの通話・メッセージ、顧客情報、ナレッジなどがわかりやすく統合された、ブラウザベースのオペレータ用インターフェース
- モバイルアプリ対応で、iOSとAndroidの両方で利用可能
- 多彩なAI機能を搭載。感情分析やオペレータ支援、文字起こし、要約、キーワード抽出、チャットボット…AIルーティング機能では、顧客の問い合わせ内容、過去の対応履歴や属性、オペレータのスキルセット、現在の対応状況などをAIが総合的に判断し、最適なオペレータへ自動的に振り分ける。
- 5〜10,000席まで対応
- LINEを含むあらゆるSNS、CRM、AIとの連携が可能
- WebRTCコールにより、専用アプリケーションのインストールが不要で、ブラウザから直接高品質な音声通話やビデオ通話が可能
- オペレータ・SV専用のモバイルアプリを利用可能
- WFM(ワークフォース・マネジメント)機能搭載
- 金融や銀行、医療機関などで要求される最高度のセキュリティ基準に準拠。AIを活用した声紋認証技術により、顧客の声を登録しておくことで、従来のパスワードや個人情報による確認プロセスを代替・補強
- リアルタイム・ヒストリカルレポート機能で、全チャネルを100%見渡すことができ、ウォールボードのレイアウトは自由自在にカスタマイズ可能。ユーザー企業からも好評な機能。
- ROI回収期間9ヶ月
- 稼働開始までわずか1.3ヶ月
導入事例
- 株式会社ベルシステム24:
課題→1万7千席を支えるコンタクトセンターの基盤システムがオンプレであるために、コミュニケーションスタイルの変化への対応が難しくなっていた。都度かかる設備投資コストも課題となっていた。
導入効果→新センター・ブースの立ち上げにオンプレシステムで数ヶ月かかっていたところ、Bright Patternの導入で数日〜1週間での立ち上げを実現。立ち上げ期間の大幅短縮を達成できた。数百万〜数千万とかかっていた初期投資も限りなく0へ。 - ロート製薬株式会社:
課題→自社通信販売での月2万件の注文や問いあわせが別々のツールで管理されていたため、それを顧客情報に紐づける作業が非常に煩雑になっていた。業務効率や手作業でのミスも課題だった。
導入効果→Bright Patternの採用で運用コストを20%削減。Salesforceとの標準連携で、オペレータへ負担をかけることなく機能の充実化が実現。 - 株式会社アイティ・コミュニケーションズ:
課題→コンタクトセンターのアウトソーサーとして、様々な業種・規模のお客さまのニーズに対応する中で、業務内容の複雑化および深い専門性が求められるようになっていた。それに伴い、業務効率や品質の向上、人材不足が課題となっていた。
導入効果→BrightPatternとAmiVoiceを連携して、音声認識率98%での運用を実現。社内運用実績SLA値は99.99%を記録。10台必要だったサーバーラックは1台となり、運用コストも大幅に削減。 - ティーライフ株式会社:
課題→Bright Patternの活用により、電話、メール、LINEのチャネルそれぞれに個別のツールを使っていたため、業務の進捗が見えづらく、オペレータの稼働率にも課題があった。業務に合わせたレポートのカスタマイズがしにくく、定量的なコールリーズンの分析もできていなかった。
導入効果→平均後処理時間が10%改善。電話とLINEのマルチタスク化が実現
※導入事例についてはこちらのページをご覧ください。
2. BIZTEL
概要:インターネットとPCのみでスタートできるクラウド型コールセンター/CTIシステム。8年連続で国内シェアNo.1を記録している。独自開発・独自運用・独自構築のサービスにより、ユーザーの声を反映し続けている。
機能・特徴
- クラウドCTIでは国内唯一、FISC・PCI DSSに対応しているハイセキュリティ
- 最短5営業日で利用開始
- 1席¥15,000〜
- 導入社数2,000社以上・稼働席数40,000席以上
- オプションでAI連携が可能
導入事例:株式会社アットシステム
3拠点それぞれで固定電話を運用していたところ、繁忙期に特定の拠点へ問い合わせが集中し、他の拠点でフォローすることができなかった。くわえて、オペレータの在宅勤務へ柔軟に対応することができておらず、コロナ禍には業務へ支障が出ていた。BIZTEL導入後は、拠点をまたいだフォローが可能となっていて、全社的な電話対応が実現している。在宅勤務にも対応できるようになったので、オペレータのストレス軽減にも繋がっている。
3. MiiTel
概要:電話・Web会議・対面での全てのコミュニケーションを最適化する上で役立つ音声解析AI搭載型のCTIシステム。クラウド型IP電話なので、電話機や交換機(PBX)は一切不要で、最短3営業日で利用スタートが可能。費用対効果の高いシステムを選びたい企業におすすめのソリューション。
機能・特徴
- AIによる通話内容の解析や議事録作成、オペレータの得意・不得意の可視化などが可能
- スマートフォン用アプリケーションのオプションあり
- リアルタイム文字起こしやリアルタイムFAQの機能で、フォロー工数の削減や、マニュアルを検索する工数を削減
- トーク内容のスコアリング機能があり、アルゴリズムは自由に設定可能
導入事例:株式会社ゆうちょ銀行
「オペレータの架電の応対品質向上支援にあたり、客観的・定量的なモノサシがほしかった」「コロナ感染拡大等のBCP対策として、分散受電体制の整備が急務だった」という課題に対し、MiiTelを導入。オペレータごとにレーダーチャートを作成し、各オペレータが伸ばせる部分を把握・取り組める環境を作っている。BCP対策の点においても、2拠点・分散受電ができる体制を整備できた。
4. カイクラ
概要:顧客情報と応対履歴をリアルタイムで一元管理できるクラウド型CTIシステム。
機能・特徴
- CTI機能を携帯用アプリとして持たせることが可能
- AIによる自動テキスト化機能があり、固定電話にも携帯電話にも対応
- 40以上の顧客管理システム(CRM・SFA・名刺管理システム)と連携可能
導入事例:株式会社ネクサスエージェント
録音機能付きのAndroid端末で顧客対応をしていたが、手動で録音ボタンを押す必要があるなど、運用面での不便さを感じていた。また、通録の音声を元にした議事録作成には3〜4時間を要していた。カイクラの導入により、文字起こしの作業効率が上がったり、トラブル対応の迅速化が図られたり、上司からの指導がより具体的になったりといった効果が出ている。議事録作成については、体感で9割以上の時間を削減でき、よりコア業務に時間をかけられるようになった。
5. Omnia LINK
概要:ビーウィズ株式会社が提供するクラウド型CTIシステム。AIを利用した通話音声のリアルタイムテキスト化、FAQリコメンデーション、生成AIによる自動要約等の機能を提供している。
機能・特徴
- AIによる要約制度は90%以上
- AI-FAQシステムによって、AIがFAQ候補を自動で表示
- 通話の即時テキスト化を標準搭載
- 新人の研修時間を36%削減。くわえて、研修途中の退職率も20%削減に成功
- 最短1週間かつ低コストで導入可能
導入事例:SBIアルヒ株式会社
オペレータの状況把握が難しく、SVの負担が大きくなっていた。オムニア導入後、シートマップ上でオペレータの稼働状況を一目で把握できるように。会話内容が自動でテキスト化されるので、通話中から確認できるようになった。
6. CT-e1/SaaS
概要:株式会社コムデザインが提供するクラウド型CTIシステム。AIによる音声認識や会話解析が可能。
機能・特徴
- あらゆるCTI機能(ダッシュボードやボイスメールも含む)が標準搭載
- 2LEG方式により、IP電話機だけでなく、既設のPBXやモバイルでの利用が可能
- 自社開発のアーキテクチャによる拡張性の高さと、ユーザーのニーズに柔軟に対応できる独自のサービスモデル「CXaaS」が特徴
導入事例:東京海上日動あんしんコンサルティング株式会社
既存のビジネスフォンがある中でクラウドCTIへの移行を考えると、IP電話への入れ替えが一般的。しかし、場合によっては、クラウドCTIによるコストメリットよりも、予想外の「ムダ」の方が多くなるケースがある。東京海上日動あんしんコンサルティング株式会社は、CT-e1/SaaSによって既存のビジネスフォンを活かしながら、クラウドCTIへと移行することに成功。初期費用を抑えながら、既存の内線網を活かし、IP電話にありがちな通話の不安定さを解消。ビジネスフォンへの切り替え策によるBCP対策も実現した。
7. Zendesk
概要:株式会社Zendeskが提供するクラウド型CTIシステム。電話だけでなくチャットやメールも統合管理可能。ブラウザで電話の受発信ができるため、導入がスムーズなだけでなく、顧客満足度の高い対応をすることができる。
機能・特徴
- 全てのプランに標準搭載のAIエージェントは、ネイティブレベルの流ちょうさで30以上の言語に対応
- 通話の録音が無制限。追加アプリの利用で、通話録音データを自動でテキストデータ化することも可能
- ボイスメール機能により、営業時間外や休日時に顧客が留守番電話を残すことができるので、あとからのフォロー・サポートがしやすい
導入事例:大丸松坂屋百貨店
従来では、電話とメールを問い合わせ対応の中心とし、応対履歴や引き継ぎを紙で行っていた。その状況の課題として、作業の煩雑さや情報の紛失リスク、データ集計・分析の非効率性が顕在化。ZendeskとAmazon Connectの連携後は、電話での問い合わせ率が76.8%から70.4%に減少し、1件あたりの処理時間は約5分の1に短縮。有人チャットの利用は50%増加し、顧客満足度(CSAT)87.88%に向上
8. ソクコム
概要:電話やメール、SMSなど多様なチャネルを一元化し、迅速かつ効率的な対応を実現するクラウド型CTIシステム。40種類以上の機能オプションから、必要な機能だけを選択できるので、無駄なコストの削減に効果的。
機能・特徴
- AIによる自動応答、文字起こし・要約機能、SMS送信、1分以内で問い合わせに応答する「即電即連」といった機能が豊富にある
- コスト削減率最大60%
- 「誰でも使える」がコンセプトの使いやすいUI/UX
導入事例:㈱CONSCIENCE
営業電話で1日最大1時間の工数が発生し、対応できずに取りこぼすことがあった。製品導入後は、一次受けを全て自動化できたことで、初回対応の手間を大幅削減。代表電話対応にかかる工数はほぼ0になり、内容に応じた連絡が担当者に自動でテキスト連される仕組みが整った。
9. Comdesk Lead
概要:株式会社Widsleyが提供する音声認識機能付きのCTIシステムで、IP回線と携帯回線を併用できる国内唯一のツールとして特許を取得している。
機能・特徴
- 高精度AIによって、IP回線も携帯回線も自動で文字起こし可能
- ChatGPTとのAPI連携
- 090/080/070/0ABJ/0120/0800番号が利用可能
- 最短3営業日で導入可能
導入事例:株式会社マニフェスト
他社のCTIツールから移行し、初回架電の通電率が16%程度から約23%にまでアップ。二回目以降の通電率も、9%から19%へと上がった。コストカットにおいては、以前の約1/3に抑えることに成功している。
10. MOTコールセンターシステム
概要:株式会社バルテックが提供するCTIシステム。オンプレミス型とクラウド型の各プランが用意されている。
機能・特徴
- ChatGPTを活用したAI音声認識で自動テキスト化が月額2,000円~利用可
- 小規模またはインハウスコールセンター向けまたは本格コールセンター向けと異なるプランの提供
11. MediaCalls
概要:メディアリンク株式会社が提供するIP-PBX/CTI/ACD/レポート/通話録音を標準装備したオールインワン型CTIシステム。中~大規模なインバウンド型コールセンターでの業務効率化に必要となる豊富な機能を標準搭載。
機能・特徴
- ACD、IVR、といった自動化機能がありつつ、CRM連携によってAIチャットボットや外部サービスとの連携も可能
- 完全自社開発による低コストを実現
- オンプレミス型とクラウド型を選択可能
導入事例:小田急電鉄株式会社
システム導入後は、オペレーションのミス削減を実現。各オペレータのスキル練度に応じたIVRの用件振り分けや、評価時のオペレータと評価者の認識齟齬が置きにくい環境整備に成功している。
12. TELE-ALL-ONE
概要:アウトバウンド向けの機能を豊富に搭載したCTIシステム。CRM対応、SNS送信、チャット連携も可能。
機能・特徴
- オプション機能として、多回線同時発信に対応するアウトバウンドAIボイスボット機能「AIボイス(エーアイボイス)」を新リリース
- インバウンドにも対応
- 1秒課金、3分課金など、多彩な料金プラン
導入事例:株式会社オスティナートハウジング
導入後は右肩上がりで売上向上を図れており、6年前の導入時に比べて約10倍にまで増やすことに成功。複数拠点の運用にも成功し、新センターの開設も視野に入っている。
13. Ameyo J
概要:株式会社アイ・ピー・エス・プロが提供するアウトバウンド・インバウンド両方の機能を備えたCTIシステム。GoodProductコールセンター部門賞を受賞している。
機能・特徴
- データセンター・回線・CTIシステムまで一気通貫
- 株式会社アイ・ピー・エス・プロは回線提供事業者でもあり、大手の回線事業者の再販だけではなく総務省から認可を受けた自社回線も提供しているため電話回線や電話番号に関する知識豊富な担当者に相談できる
- 最低10席から最大1,500席まで対応
- 通話料金定額プランでの「かけ放題」がある
- 対話型AI「Kore.ai」との連携が可能
導入事例:兼松サステック株式会社
営業スタッフとのコミュニケーションを固定電話で行っていたが、部署の新設にともない、「ノウハウを共有できるソリューション」としてAmeyoJを導入。業務効率の大幅アップにより、コール数が3倍以上になった。
14. BlueBean
概要:株式会社ソフツーが提供するCTIシステム。インバウンドでもアウトバウンドでも利用できる豊富な機能が標準搭載されたオールインワン型コールセンターシステム。Asteriskをベースとして独自開発されている。
機能・特徴
- AIによる文字起こしと要約のオプション機能あり
- 5〜130ライセンスまで、1ライセンス刻みで契約可能
- 最低利用期間はなく、申し込みや変更、解約時は日割り請求
- 既存のIP回線をそのまま利用可能
導入事例:テクマトリックス株式会社
部署ごとの段階的な導入として10ライセンスからスタートし、現在では30ライセンスを利用。追加料金無しで4000ほどの内線番号を使えるという特徴を活かし、社員一人に2内線で運用できている。IVRの設定の自由度の高さもあり、オフィス電話としての利便性の高さを実感している。
15. InfiniTalk
概要:ジェイエムエス・ユナイテッド株式会社が提供するCTIシステム。「音声認識AI/音声テキスト化システムを活用したい」というニーズに応えてくれる。48業種、500社、20,000席以上の導入実績をもつ。
機能・特徴
- パソコンが苦手な人でも使いやすいデザイン
- オペレータの会話を自動で録音・文字起こし
- オムニチャネル対応
- Salesforceやkintoneなど各種CRM・SFAとの連携が可能
導入事例:株式会社ソーシャルテック
問い合わせ数の増加に伴い席数が増え、応対品質の均一化が課題となった。CTIによってリアルタイムで状況を可視化する必要があると感じたので、InfiniTalkを導入。ECカートシステムの「リピスト」とCTIの連携が絶対条件だった中、導入後は平均通話時間を7%削減することに成功。月額16万のコストダウンを実現しつつ、席数の増減や設定変更を自社で行えることにより運用の幅が拡大した。
16. Sakuraコールセンターシステム
概要:Salesforce基盤のクラウド型CTIシステム。
機能・特徴
- 最小1人から、月額¥2,500のスモールスタートに対応。最短1週間で両可能なので、低コスト・スピード導入で本格的なCTIシステムの運用が可能
- イン/アウトバウンドの両対応
- 統計レポートやクリック発信、通話録音などの機能を搭載
導入事例:有限会社リンクアップ
導入後は、一日あたりの架電件数が200件から300件以上へと増加し、約1.5倍の成果を達成。一件あたりの通話時間は変わっていないため、秒課金制による効果
17. VLOOM
概要:AWSをプラットフォーム基盤として開発した、AIコールセンターPBX/CTIシステム。
機能・特徴
- AIによる通話のリアルタイムテキスト化や自動要約機能
- ユーザーライセンスではなく、「同時通信数」での計算による月額料金で、登録できるユーザー数は無制限
- 電話はマルチデバイス対応
導入事例:株式会社おたる政寿司
製品導入前の応答率が60%だったのに対し、現在は80%に到達。安定して3コール以内に応答できるようになっており、電話による月間予約数が約50件増加。機会損失の減少だけでなく、入電時のスタッフ対応への苦情減少にも成功している。
18. Amazon Connect(AWS)
概要:AWS提供のCTIシステムで、PBXなどの機器と回線もクラウドにて提供されている。電話・チャット・SMSなどオムニチャネル対応で、AWSが基盤のため、柔軟な拡張性やグローバル対応力にも優れているのが特徴。
機能・特徴
- Amazon Lex連携IVR:自然言語を使ったAI IVR対応と自動会話フロー構築
- Amazon ConnectのAI機能を無制限に使用できる
- 問い合わせフローは、GUIで直感的に作成可能
- Amazon Connect Voice ID の機能では、機械学習を使用してリアルタイムの発信者認証と不正リスクを検出し、音声対話のさらなる高速化と安全化を実現
導入事例:DoorDash
AmazonLexとの連携でIVRへの誘導に成功し、オペレータへの転送が49%削減、初回解決率が12%増加し、運用コストは前年比で300万USD削減された。一方で一日あたり10万件以上の通話(消費者、販売者だけでなく、ドライバーからの電話を含む)に対応可能となっている
19. Genesys Cloud CX
概要:ジェネシスクラウドサービスが提供しているマルチクラウド型CTIシステム。豊富な導入実績を持ち、世界のトップ100企業のうち55社に採用されている。
機能・特徴
- 対話型AI・生成AI・予測AIを使ったルーティング、エンゲージメント、会話要約、感情分析などをネイティブ搭載
- Amazon Web Services(AWS)上で稼働しており、企業としてのプライバシーマークやISO27001、SSAE-16などの世界基準の企画認証を取得している
- 新機能AI Studio(2025年6月リリース)は、ノーコードおよびローコードで、バーチャル・エージェントを迅速に設計・導入・管理できるよう支援する
導入事例:外為どっとコム
コールフローの修正が社内で完結できる上、週次の新機能リリースを取り込める。導入後は応対件数が増加し、1通話あたりの時間短縮には成功、初回解決率100%をキープできている。
20. IVRy
概要:月額2,980円~、最短5分で利用開始が可能な電話自動応答サービス(IVR)。50業種以上の企業導入されており、アカウントは5,000超え。現在使用している番号はそのまま使用可能。
機能・特徴
- AIが電話の履歴を自動で文字起こし・要約
- FAXの受信内容を。AIが自動で文字起こし
- カスタム電話をWeb・アプリで簡単に作成できる
導入事例:一蘭
導入後は、圧倒的に多い「店舗の営業時間」に関する問い合わせを、約50%以上自動化することに成功。現場からは、「電話の鳴る回数が大幅に減ったことで、本来行うべき接客やラーメンをつくる作業に注力できるようになった」という声が上がっている。
CTIシステムの3大メリット

国内製品を中心に、20のシステムを紹介してきました。これらのCTIシステムを活用することには、どのようなメリットがあるでしょうか。3つの大きなメリットを解説します。
業務効率化
CRMと連携できると、着信と同時に顧客情報がオペレータ画面へ表示されたり、応対履歴をキーワードでスピーディーに検索・照会できたりします。これは、業務の効率化やオペレータの負担軽減、顧客満足向上へのアプローチとして役立ちます。
顧客情報の一元管理
最近のコンタクトセンターは、電話だけでなくメール、チャット、SNSなど多様なチャネルに対応するようになっています。これにより、コミュニケーションの履歴を含む顧客情報が散逸したり、サイロ化したりするリスクが上がります。しかし、CTIシステムを活用すれば、あらゆる顧客情報を一元管理することが可能です。チャネルや対応オペレータが異なる場合でも、共通した顧客情報を参照できるので、一貫してクオリティの高い顧客対応をしていけます。
柔軟な働き方の実現とBCP対策
CTIシステムがクラウド型であれば、インターネットの接続環境が整っている場において、どこからでもコンタクトセンター業務をおこなうことが可能です。オペレータの在宅勤務に対応しやすくなるので、慢性化する人手不足へのアプローチが見込めます。同様の理由からBCP対策としても有効です。オペレータの身の安全を確保しながら、迅速かつ安定的にコンタクトセンターとしての業務を継続・再開することが期待できるでしょう。
これにはご注意!CTIシステムのデメリット2つ

CTIシステムには魅力的なメリットが複数あります。とはいえ、デメリットがないわけではありません。CTIシステムの導入・見直しにおいて失敗しないために、デメリットについても紹介します。
通信環境の影響を受ける
クラウド型CTIシステムは、インターネットを通じて利用するので、利便性が高い反面、通信環境の影響を受けるというデメリットがあります。接続が不安定な場合には、通話品質が低下するリスクがあるので注意が必要です。また、通信回線や接続機器の故障、クラウドサービスの障害といったシステム障害の発生リスクも無視できません。
コストがかかる
多くの導入事例にもあった通り、CTIの導入によりコスト削減が実現したケースは多くあります。とはいえ、導入と運用にコストがかかることも事実です。クラウド型は、一般的に導入コストが数千円〜数万円前後とかなり低く抑えられる一方、長期的な利用ではオンプレミス型よりも費用が高くなる場合があります。逆にオンプレミス型は導入コストが50万円前後〜と高額になることがありますが、長期的には費用が抑えられる可能性もあります。いずれの型を選ぶとしても、削減できるコストと必要になるコストを明確にし、それぞれに関して長期的な視点で費用対効果を考慮することがポイントとなります。
導入形態 | 初期費用の平均相場 | 月額費用の平均相場(1席) |
---|---|---|
クラウド型CTI | 0円~数十万円(多くは数万円) | 5,000円~15,000円 |
オンプレミス型CTI | 50万円~数百万円 | 0円〜(保守費用のみ) |
CTIシステムの選定時に押さえるべきポイント4つ

最後に、数あるCTIシステムの中から、自社にとって最適なシステムを選ぶ上でチェックするべき4つのポイントを紹介します。
クラウド型かオンプレミス型か
クラウド型のCTIシステムは、初期費用が安く、短期間で導入できるという特徴をもちます。なるべく低コストでスピーディーにCTIを導入したい企業に向いているでしょう。オンプレミス型のCTIは、高いカスタマイズ性やセキュリティが特徴です。ただし、構築コストと導入時の時間がかかる場合が多いので、クラウド型CTIの各ソリューションとの比較は必要不可欠です。20製品の中にも多くありましたが、現在は両対応型も多く提供されています。「どちらかが100%良い」というものでもないので、費用や機能などを比較しながら、自社の業態に合わせたシステム選択をしましょう。
インバウンドとアウトバウンドのどちらに強みがあるか
CTIシステムの中には、インバウンド特化型とアウトバウンド特化型があります。搭載されている機能に大きな差が出てくるので、自社の業務内容や導入目的に適しているかどうかを必ずチェックしてください。業務内容がインバウンドとアウトバウンドで混在している場合は、両対応型を検討するのも選択肢です。
CRMなどの外部システムとの連携
連携可能な外部システムがある程度限定されている製品もあれば、API連携で非常に幅広く外部システムと連携できるものもあります。現在自社が使用しているあるいは使用予定のCRMやAIといったシステムと、スムーズに連携できるかどうかは必ず確認しましょう。
セキュリティ・サポート体制
クラウド型CTIは、セルフでの導入・立ち上げが前提となっているものが多い傾向にあります。セルフ導入が不安な企業は、ベンダーからのサポート体制の有無や、既存ユーザーの口コミを確認しておくと安心です。
CTI導入 よくある質問(Q&A)
Q1: CTIシステムとは何ですか?
A1: CTI(Computer Telephony Integration)とは、お使いのパソコンと電話機能を連携させるシステムの総称です。着信時に顧客情報をPC画面に表示したり、通話を自動で録音したり、IVR(自動音声応答)を設定したりと、コンタクトセンター業務を効率化するための様々な機能を提供します。
Q2: CTIを導入する主なメリットは何ですか?
A2: 主に3つのメリットがあります。
- 業務効率化: CRM(顧客管理システム)との連携による顧客情報の即時表示や、応対履歴の簡単検索により、オペレータの業務負担を軽減し、効率を大幅に向上させます。
- 顧客情報の一元管理: 電話、メール、チャットなど、複数のチャネルからの問い合わせ情報を一元管理でき、一貫性のある高品質な顧客対応を実現します。
- 柔軟な働き方とBCP対策: クラウド型CTIなら、インターネット環境さえあれば場所を問わずに業務が可能です。オペレータの在宅勤務を実現し、災害時などのBCP(事業継続計画)対策としても有効です。
Q3: 導入する上でのデメリットや注意点はありますか?
A3: はい、2つの点にご注意ください。
- 通信環境への依存: 特にクラウド型の場合、インターネット回線の状況によって通話品質が不安定になる可能性があります。安定した通信環境の確保が重要です。
- コストの発生: 導入形態(クラウド型/オンプレミス型)や機能によって初期費用や月額費用が発生します。費用対効果を長期的な視点で検討することが大切です。
Q4: 自社に合ったCTIシステムはどのように選べばよいですか?
A4: 以下の4つのポイントで選定することをおすすめします。
- 提供形態: 初期費用を抑えたいなら「クラウド型」、カスタマイズ性を重視するなら「オンプレミス型」など、自社の予算や方針に合った形態を選びましょう。
- 業務内容: 主な業務が受電(インバウンド)か、架電(アウトバウンド)かによって、適したシステムの機能が異なります。
- 外部システム連携: 現在利用しているCRMやSFA、その他のツールとスムーズに連携できるかを確認しましょう。
- サポート体制: とくに初めて導入する場合、ベンダーのサポート体制が充実しているかどうかも重要な選定基準です。
Q5: AI機能付きのCTIでは何ができますか?
A5: 製品によって様々ですが、主に以下のような機能があります。
- 通話内容のリアルタイム文字起こし
- 通話内容の自動要約、議事録作成
- 問い合わせ内容に応じた最適なオペレータへの自動振り分け(スキルベースルーティング)
- FAQの自動サジェスト(オペレータ支援)
- 感情分析による顧客満足度の可視化
- チャットボットやボイスボットによる自動応答
Q6: 費用はどのくらいかかりますか?
A6: 費用は提供形態や規模、機能によって大きく異なります。
- クラウド型: 初期費用は数千円~数万円、月額費用は1席あたり数千円~数万円が相場です。小規模から始められるプランも多くあります。
- オンプレミス型: 初期費用として数十万~数百万円かかる場合がありますが、月額のランニングコストは抑えられる傾向にあります。
多くの製品で無料トライアルや詳細な見積もりが可能ですので、複数のベンダーに問い合わせて比較検討することをおすすめします。
最後に
魅力的な特徴や機能を持つ製品が多くあり、「なかなか決められない」と思うかもしれません。さまざまな製品があらゆる機能を搭載しているからこそ、自社にとってマストな機能や、逆になくても良い機能、理想のコスト感などをあらかじめ決めておくと、ベストなシステムへ近づいていけるはずです。
無料のトライアルサービスを提供しているベンダーも多くあるので、ぜひトライアルや資料請求、問い合わせなどをしながら、最適なシステムを選択・活用しましょう。