日本国内外を問わずトップシェア率を誇るSalesforce。しかし、Salesforceはコールセンターシステムではありません。「Salesforceを活用しながらコールセンターを運営しよう/強化しよう」となると、別途コールセンターシステムが必要になります。
この記事では、Salesforceとシームレスに統合できるコールセンターシステム「Bright Pattern」を紹介します。SalesforceとBright Patternを統合したらどうなるのか、どのようなビジネスメリットがあるのかを解説します。
すでにSalesforceを導入している企業や、チャネルのサイロ化を解消したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
SalesforceとBright Patternの統合
まず、SalesforceとBright Patternの統合について具体的に説明します。統合の際は、「Salesforceベース」か「Bright Patternベース」かを選択できます。
Bright Patternをベースにする場合は、Bright PatternからSalesforceのデータへ直接アクセス可能です。
Salesforceをベースに統合する場合は、Salesforceの中にBright Patternの機能を組み込んでいきます。
上の画像は、Salesforceベースの操作画面です。基本的なユーザーインターフェースはSalesforceのままで変わりありません。オペレーターが使い慣れたSalesforceの画面上で、Bright Patternの拡張機能を活用できます。統合によるオペレーターの負担を最小限に抑えられます。
利用時のイメージをより鮮明にするため、問い合わせてきたお客さまが「新規顧客だった場合」と、「既存顧客だった場合」をそれぞれ紹介します。
問い合わせが新規顧客からだった場合
お客さまがウェブサイト上のチャットで、問い合わせをするケースをイメージしてください。入力された個人情報が既存客でない場合、Salesforceの画面左側に、新規ケースとして情報を入力する画面が表示されます。
問い合わせが既存客からだった場合
先ほどと同様、お客さまがウェブサイトのチャットから問い合わせを開始したとしましょう。お客さまが既存顧客であった場合、チャットなどのアクティビティが自動的に保存され、Salesforce側にコンタクトの履歴が任意のIDと共に保存されます。
保存された履歴IDをクリックすると、紐づけられた詳細を見ることができます。登録された電話番号をクリックして、架電することも可能です。また、詳細画面で生成されたリンクをクリックすると、問い合わせ時の録音データを聞けます。
お客さまが新規顧客か既存顧客化に関わりなく、オペレーターが複数のタブを行き来したり、システムを使い分けたりする必要はありません。オペレーターにとってエフォートレスな業務環境が整います。
では、SalesforceとBright Patternを統合すると、具体的にどのような機能が拡張されるのでしょうか。一部を紹介します。
【SalesforceとBright Patternの統合により拡張される機能例】
- シングル サインオン(SalesforceとBright Patternに同時にログインできる機能)
- シナリオからのデータ アクセス(SOSL および SOQL クエリー両方)
- 画面ポップアップ
- カスタム フィールドを含んだアクティビティレコード
- 統合レポート
- リストのインポート/エクスポート
- Click to Call
- 機密データが含まれる音声の録音をミュート
上記のようなさまざまな機能が拡張されます。
拡張できる機能が多ければ多い分だけ、「オペレーター画面や操作が複雑になるのではないか」と心配になるかもしれません。
しかしBright Patternは、「真のオムニチャネル」対応システムです。そのため、チャネルごとに画面やシステムを切り替える必要はありません。オペレーターはこれまで通りにSalesforceを使用できます。
Bright Patternの機能により、電話対応中でもチャットが可能です。カスタマーサービスの現場では、問い合わせ内容によって、エンジニアやSVからの助けを必要とする場面があります。
そのようなとき、お客さまをお待たせすることなく適切な担当者へ連絡を取ったり、お客さまを担当者へ転送したりできます。
また、オペレーターにかかってきた重要なコールは、他のチャネルよりも優先的にポップアップ表示される仕様です。内部連絡はもちろん、Salesforce上のデータから優先顧客と識別されたお客さまの対応を迅速に行うことが可能です。
Bright Patternが「真のオムニチャネル」であるからこそ、お客さまがどのチャネルで問い合わせしてきたとしても、リアルタイムでSalesforceに情報が保存されます。オペレーターが、お客さまとの会話に集中できる環境が確立されます。
Salesforceと統合するコールセンターシステムが、「真のオムニチャネル」であることは非常に重要です。日々変化していくコミュニケーションスタイルに、スピーディーかつシームレスに対応していくには、マルチチャネルでは不十分だからです。
もし現状がサイロ化しているなら、オペレーターに不便を強いるだけでなく、カスタマージャーニーに摩擦を生じさせているかもしれません。「コミュニケーションスタイルの変化に対応しようとしたらサイロ化してしまった。現状を打破したい」と思っている方は、ぜひBright Patternとの統合を検討してください。Bright Patternは「真のオムニチャネル」だからです。
「二つのシステムを統合する」となると、システム管理者の負担が大きくなるのではないかと心配になるでしょうか。安心してください。たとえば、複雑な操作や設定が求められがちなワークフローの構築では、「ドラッグ&ドロップ」の直感的な操作で完成させられます。SalesforceとBright Patternの統合のために、難しい操作が求められることはありません。
SalesforceとBright Pattern統合のビジネスメリット
次に、SalesforceとBright Pattern統合のビジネスメリットについて4つ紹介します。
サービスや商品の改善を図れる
コールセンターは、鮮度の高いVOCを収集できる場です。電話を含め、問い合わせ内容の全てを管理できるSalesforceはVOCの宝庫です。
Salesforce とBright Patternがシームレスに統合されるなら、今以上に顧客の質問や意見を反映したサービス・商品を提供しやすくなります。お客さまからの意見をなるべく多くかつ迅速に取り入れることは、顧客ロイヤルティの醸成とファン獲得に直結します。「企業に自分たちの声が届いている。」と感じてもらえて、企業とお客さまの間に一体感が生まれるからです。
顧客データを参照しながら適切な対応ができる
SalesforceとBright Patternが統合されていると、お客さまからヒアリング済みの話や、対応済みの案件を繰り返す必要がありません。これまでの会話の履歴や録音データを全て見たり聞いたりすることができるからです。
業務や対応の繰り返しが発生しないので、オペレーター業務効率は向上し、コールセンターの生産性も向上します。何よりも、エフォートレスな顧客体験の実現が可能です。エフォートレスな顧客体験が確立されると、安定的に高い顧客満足度を獲得していけます。
リスクマネジメント強化
Salesforceとの統合は、企業がオペレーターを守る上で効果的です。たとえば、同じお客さまが複数チャネルで、同じような内容の意見やクレームを送ってきているとしましょう。システムがチャネルごとにサイロ化していると、「同一顧客の問い合わせである」という事実に気がつけないリスクがあります。
もちろん、複数チャネルで問い合わせてきている理由はさまざまでしょう。しかし、もしカスタマーハラスメントが絡んでいるとすれば、早急に企業またはコールセンターとしての対策が必要です。
Bright PatternとSalesforceが統合されると、チャネルに関係なく、顧客データや履歴が一元管理されます。先ほどの例のように、同一のお客さまが複数チャネルで問い合わせてきていても、一目で内容や頻度を見ることができます。そのため、電話でオペレーターはいち早く適切な対応をとれます。必要なら、即座にSVへエスカレーションすることも可能です。二つのシステムの統合は、「攻撃性のある問い合わせ」からオペレーターを守るという側面でも、コールセンターをサポートします。
別の側面を考えてみましょう。コールセンターにおける問い合わせ対応には、大きなトラブルへ発展するリスクが隠れていることがあります。場合によっては訴訟問題へと発展するかもしれません。
しかし、SalesforceとBright Patternの統合は、リスクを事前に察知してリスクマネジメントを強化する助けになります。トラブルの可能性が見えたり、改めて確認するべき問い合わせがあったりした際は、Bright Patternの機能により録音データや会話の履歴をさかのぼっていけます。
顧客満足度の向上が期待できる
既出の情報ですが、Bright Patternと統合されたSalesforceでは、チャネルに関わりなくすべての問い合わせ内容が記録されます。そのため、問い合わせ対応の途中でオペレーターが変わったり、チャネルや案件別でオペレーターが変わったりしても、迅速かつ正確な引き継ぎが可能です。
お客さまを部署間でたらい回しにしたり、繰り返し同じことを尋ねたり…といったリスクを回避できます。
引き継ぎがスムーズであることや、何度も同じ質問をしなくて良いことは、言うまでもなく顧客満足度の維持向上に繋がります。それだけでなく、これらは「パーソナライズの前提条件になる」ということを忘れないでください。
最近のカスタマーサービスでは「パーソナライズ」が重視されるようになりました。お客さまと企業の「これまで」を見たり聞いたりできると、より適切でパーソナライズされたサービスを提供していけます。
現在、AIやARなどを活用して、「よりパーソナライズされたカスタマーサービス」を目指すコールセンターは少なくありません。ワンランク上を目指すなら、なおさら迅速で無駄のない対応を徹底するべきです。
最後に
SalesforceとBright Patternの統合について説明しました。「真のオムニチャネル」であるBright PatternをSalesforceと統合すると、4つの大きなメリットが生じます。
いずれも、Bright Patternが「真のオムニチャネル」であるからこそのメリットです。SalesforceとBright Patternの統合についてさらにお知りになりたい方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。