コンタクトセンターは、お客さまの情報や生の声を真っ先にキャッチできる顧客接点です。
そのため「コンタクトセンターで得たデータをもっと活かせたら良いのに」「コンタクトセンターシステムとクラウド型CRMツールを統合させたい」といった悩みもあるのではないでしょうか。
この記事では、コンタクトセンターシステムの「Bright Pattern」と、CRMプラットフォームの「HubSpot」を例に、
- なぜBright PatternがCRMとの統合においてなぜ効果的なのか
- Bright PatternとHubSpotを統合させるメリットは何か
の2点を説明します。
競合他社との差別化を図っていくためにコンタクトセンターへ投資、あるいはCRMの強化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Bright PatternとCRMの統合が効果的な理由
数あるコンタクトセンターシステムの中で、なぜBright PatternのCRM連携が効果的なのかを3つのポイントから紹介します。
シンプルな画面インターフェース
Bright Pattern は、CRMシステムとCTIシステムが統合されていることをオペレーターに意識させません。
たとえば以下のような組み込みパターンがあります。
- Bright Pattern の画面内にCRMを組み込む
- Bright Pattern の画面上にCRMをポップアップさせる
- CRMシステムの画面にBright Pattern の機能を追加する
コンタクトセンターシステムとCRMを統合するにあたって、多くの方が「なるべくオペレーターの負担を増やしたくない」と思われるでしょう。安心してください。
すでにCRMを活用している場合は、使い慣れたインターフェース内にBright Patternを組み込むことで、オペレーターの負担を最小限にしつつ充実した電話機能を追加することができます。
シングルサインオンに対応しているので、一つのシステムにログインするだけでその他のシステムへのログイン作業も完了します。また、画面表示は一つのオペレーター画面で完結するので、いくつものタブを行き来したり、アプリを切り替えたりする手間が必要ありません。オペレーターの業務環境をシンプルに保てるので、オペレーターに負担をかけるどころか、むしろ生産性向上を期待できます。
すべてのチャネルの履歴を一元管理
Bright Patternのオムニチャネル機能により、すべてのチャネルからの問い合わせ履歴をCRMで一元管理できます。
オペレーターはどのチャネルから問い合わせがあっても、過去を含む全チャネルの履歴を参照でき、常にお客さまにとって最適なサービスを提供していけます。
結果として、顧客満足度と従業員満足度のそれぞれの向上が見込めます。
簡単、スピーディに始められる
Bright Patternなら、複雑な初期設定なしにCRMとの連携が可能です。設定は簡単で、シナリオビルダーによりドラッグアンドドロップで完了します。
Bright PatternとHubSpotを統合させるメリット3つ
Bright PatternがCRM連携に効果的な理由を3つ取り上げました。
しかし「CRM連携が重要なことはわかるけど、コストカットをするべきコンタクトセンターにコストをかける必要はあるのだろうか」と疑問に思われるかもしれません。
たしかにコンタクトセンターシステムとCRMの連携にはコストがかかります。しかし、コンタクトセンターにはIT投資するメリットが本当にないのでしょうか。
「コールセンタージャパン」2023年12月号6ページを見ると、秋山紀朗氏が「日米におけるIT投資目的とコンタクトセンターの位置づけが異なる」と指摘しています。秋山氏によれば、米国におけるコンタクトセンターは競合他社との差別化をはかる戦略的な部門として位置づけられています。そのため、「顧客体験の向上」を目的としたIT投資がなされています。
一方日本では、「今よりもコスト削減ができるか」という観点でIT投資が検討されていきます。コンタクトセンターが競争優位に立つための戦略的部門として認識されていないので、「いかにコストカットできるか」を重視するのが現状です。
では、CRMツールの一例としてHubSpotを挙げつつ、コストをかけてBright Patternと統合させるメリットを3つ解説します。競合他社との差別化を図れるメリットかどうかに注目しながらご覧ください。
オペレーターのストレス軽減とカスハラ対策
コンタクトセンターのオペレーターは「感情労働」であると言われます。また、モニタリングによって常に監視下に置かれているなど、ストレスフルな環境での業務が求められやすい業種でもあります。
離職率の高さが長年の問題になっている通り、オペレーターは業務において多様なストレスにさらされているということを忘れないようにしましょう。
オペレーターが抱えるストレスの原因には、以下のような要素が挙げられます。
- クレーム処理
- カスタマーハラスメントへの遭遇
- 覚えることが多い
- ノルマに追われる
- 人事評価が不透明
- キャリアアップが難しい
このようなストレスに対して、メンタルケアを定期的に実施することで対処するコンタクトセンターは少なくありません。とはいえ、ストレスに関する根本的な解決・予防策がないとオペレーターはいずれ消耗してしまいます。
HubSpotとBright Patternが統合・活用できていると、システム的にオペレーターをサポートし、物理的ストレスの原因を事前に回避することが可能になります。どういうことでしょうか。
たとえば、対応中のサポートに対して必要な情報がすぐに出せないときをイメージしてください。お客さまが電話越し、またはチャット越しに待っていて、少し焦っていたりイライラしたりしている様子が見受けられます。のんびりと顧客データを探すことはできません。
オペレーター側にも焦りが生じ、フラストレーションが溜まっていきます。このような時、必要な情報をすぐに表示できるなら、それだけでも複数のストレス予備軍を排除することが可能です。
膨大な顧客データから必要な情報を探す手間とストレスがなく、その分より丁寧な対応を心がけられます。連鎖的にサポートの質が上がり、お客さまからのクレームという大きなストレス回避に繋がっていきます。
また、最近業界として課題になっている「カスタマーハラスメント」の予防にも役立ちます。カスハラの要因となりがちな「メールやチャットで言ったことをまた言わせられる」という「顧客の不満」を、HubSpotとBright Patternの統合によって解決できるからです。
オペレーターのストレスが軽減できれば、離職率削減が見込めると同時に、口コミによる新規採用の機会拡大が期待できます。離職率とともに課題になっているのが採用難ですが、最近では「リファラル採用」が注目されています。HubSpotとBright Patternの統合によるストレスフリーな業務環境は、お客さま対応のクオリティ向上に直結するだけでなく、人材確保の側面でも競争優位となるのです。
営業やマーケティングとの連携
企業におけるコンタクトセンターは、顧客接点の大半を担う部署です。コンタクトセンターで収集・管理するデータは企業全体にとって貴重な財産です。しかし、顧客データの管理が部署や個人で散在してしまうなら、効果を発揮することは難しくなります。
CRMプラットフォームであるHubSpotとBright Patternを統合するなら、コンタクトセンターで得た情報を部署に関わりなく一元管理・閲覧できます。コンタクトセンターで対応するオペレーターを含め、カスタマージャーニーの各ステージにおける担当者やサポート担当者(オペレーター、技術者)全員が顧客情報へアクセス可能です。
データが一元管理・共有されていると、営業内部の連携や営業とマーケティングの連携に役立てられます。加えて、技術的サポートが必要なときには技術者とのシームレスな提携が図りやすくなります。これらは競合他社との差別化に大きく役立ちます。
たとえば、日本の営業組織における顧客データの扱いについて見ると、部署を超えた連携の重要度が明確になります。
HubSpot Japan株式会社実施した「日本の営業に関する意識・実態調査2023」によれば、CRMを導入している営業組織はわずか36.1%です。多くの営業組織において、顧客データが適切に管理・共有されていないことがわかります。
コンタクトセンターで得られる顧客データを正確かつ適切に管理・共有しているなら、より高いカスタマーサービスの提供、営業活動、マーケティング施策を行っていけます。これは、競合他社との差別化を図るには必要不可欠な要素です。
顧客との信頼関係構築
既出の「日本の営業に関する意識・実態調査2023」における別アンケートを見ると、ビジネスシーンで購入時に重視される要素の1位は「信頼」です。前回調査からポイントが増加していることを考えると、価格や品質よりも「信頼」の方が重要視される傾向は強まっていることがわかります。
「信頼に繋がる要素」について尋ねる同アンケートによれば、「営業担当者が自社の要望を的確に実行してくれる(1位、59.4%)」「営業担当者が自社のことを真剣に考えてくれていると思う(2位、53.6%)」「企業として言っていることと実際の行動が一致している(3位、52.4%)」などが上位を占めました。
顧客との信頼関係を確実に築いていくためには、顧客に対する理解を深め、ニーズを的確に把握する必要があります。
そのためには、年齢や性別といった基本情報から購入履歴、購買の傾向などを把握しておかなければいけません。BtoBの場合は、顧客企業の業務内容や規模、企業理念やビジョンやミッション、過去の成約実績、失注履歴といった情報を把握・管理・更新していきたいものです。
HubSpotとBright Patternの統合によって、必要な情報を効率的かつ一元的に管理できていれば、カスタマーサービスのシーンで役立つだけでなく、インサイドセールスのシーンで役立ちます。ターゲットによりパーソナライズされたサービス提供や営業が行えるので、成約率、契約継続率、利益率の向上といった効果が期待できます。
また、得た情報が効果的に管理・共有されていれば、お客さまの要望やニーズの変化について把握・分析・実行しやすくなります。もし完全には要望に沿えないとしても、代わりの解決策を考案したり、もっと根底にあるお客さまのインサイトを見つけ出したりできるかもしれません。結果としてより良い顧客体験を提供でき、信頼関係の構築へとつながっていきます。
最後に
この記事では、なぜBright PatternがCRMの統合に効果的なのか、そしてコストをかけてまで統合するメリットは何かを紹介しました。
HubSpotとBright Patternの統合について詳しくお知りになりたい方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。
Bright PatternはHubSpot以外のCRMともシームレスな統合が可能です。その他の統合可能なCRMについてお知りになりたい方も、ぜひ下記よりお気軽にご相談ください。