今回は、アバター接客をするために、次世代3Dアバター作成ツール「Virbe」とクラウド型コンタクトセンターシステム「Bright Pattern」の連携をしてみました。
「Virbe」と「Bright Pattern」の連携は、以下のような要望を持っている企業におすすめです。
- 顔出しに抵抗があるオペレーターにオンライン接客をしてもらいたい
- 休職したり退職したりしたベテランオペレーターに働いてもらいたい
- 在宅ワークでも、顔出しや背景を心配せずにオンライン接客してもらいたい
- 使用するシステムを増やさず、シンプルなオペレーションでオンライン接客がしたい
- 単なるオンライン接客ツールではなく、対話型AIやメタバースに対応できる拡張性が欲しい
最後には、「人材不足が解消される」など、「Virbe」と「Bright Pattern」を連携する4つのメリットについても解説するのでご覧ください。
トライする内容
今回トライするのは、クラウド型コンタクトセンターシステム「Bright Pattern」と3Dアバター作成ツール「Virbe」を、弊社が提供する「コネクタサービス」を使って連携させることです。
「コネクタサービス」を介することで、「Bright Pattern」を使用しているオペレーターが、アバター接客できるようになります。
VirbeとBright Patternの連携で可能になること
より具体的に「Virbe」と「Bright Pattern」の連携で可能になることを見ていきましょう。
【入呼時】
・オペレーターによるアバターを使ったオンライン接客
・ボットに初期対応を任せ、必要に応じて有人対応へ切り替える
・GPT-3やIBMワトソンと連携させた自動AI応答
【応対中】
・応対中のチャットで、メニューボタンを送信できる
・適切なオペレーターへのルーティング
・応対中のチャットで、画像を送信しながら説明
【その他】
・Virbeは自作の3Dモデリングデータを使用可能(企業のマスコットやオペレーターの似顔絵アバターを表示できる)
・アバターの上半身モード・全身モードをワンクリックで選べる
単にアバター接客ができるだけでなく、コールリーズンの見極めや、適切な部署へのルーティングが可能となります。チャットで画像やメニューボタンの送信ができますので、お客さまが理解しやすい説明ができます。独自のアバターが使用できるので、ブランディングに効果的です。
「アバター」と「導入企業専用にチューンナップされたGPT」を連携させ、自社サービスについての正確な案内をアバターにさせることが可能です。
アバターと生成AIとの連携や、コンテンツの構造化については弊社までご相談ください。
Virbeとは
「Virbe」とは、次世代3Dアバター作成ツールです。アバター作成に加えて、仮想存在(Virtual Being)を提供していけます。
「Virbe」は主に3つのレイヤーで構成されています。
- 会話型AI
- 音声(音声認識と合成)
- 視覚表現(3Dモデル、アニメーション、インタラクションスクリプト)
「Virbe」の3Dアバターを利用することで、チャットボット、デジタルサイネージ、メタバースでの受付など、デジタル空間における企業のエージェントとして活用できます。
トライする環境
まず「Virbe」と「Bright Pattern」を連携するイメージ図を紹介します。
弊社が開発したコネクタサービスを介して「Virbe」と「Bright Pattern」を連携させてみます。
続いて「Bright Pattern」の設定画面を見てみましょう。
さらに、Virbeの設定画面も見ていきます。
最後に、VirbeとBright Patternを連携させるコネクタサーバーの中身を一部ご覧ください。
VirbeとBright Patternの連携を確認してみよう
VirbeとBright Patternによる「アバター接客」のメリット4つ
オンライン接客をカスタマサポートの手段として活用する企業が増えてきています。しかしオンライン接客は思うほど普及していません。
なぜならオペレーターの「顔出し」に対する抵抗感が強いからです。
コールセンタージャパン2024年1月号には、以下のように書かれていました。
いわゆるビジュアルコンタクトセンターで、2000年代から存在した手段ではあるが、「顔出し」に対する抵抗感が現場では強く、普及には至っていない
コールセンタージャパン2024年1月号15ページ
お客さまからの評価は高いオンライン接客ですが、オペレーターの「顔出し」に対する抵抗感がネックとなりなかなか定着できていません。そこでアバター接客が注目されているのです。
「Virbe」と「Bright Pattern」を連携させてアバター接客をすることには、4つのメリットがあります。
1. オペレーターの顔出しの抵抗感を緩和できる
前述したようにオペレーターの「顔出し」に対する抵抗感をやわらげられます。自分の顔や背景が、相手からは見えないので精神的・物理的なストレスが減ります。
2. 休職しているベテランオペレーターを有効活用できる
アバター接客では顔出しをする必要がないため、自宅から都合の良いタイミングに自由な服装で働けます。子育てや介護で休職しているベテランオペレーターが、自宅から勤務することが可能になります。
体が不自由だったり、地方に住んでいたりするオペレーター経験者を採用することも可能となるでしょう。結果的に、コールセンターの人材不足を解消していけます。
3. リアル店舗の応対をオペレーターがカバーできる
アバター接客では、電話やチャットで問い合わせてくるお客さまへの対応だけでなく、リアル店舗を訪れたお客さまの応対もできます。商品の詳細情報や在庫情報を伝えられます。
4. クライアント企業にパーソナライズした応対を提案できる
「Virbe」では、独自の3Dモデリングデータを活用できます。たとえば、クライアント企業が使用しているマスコットを使ったアバター接客や、アニメのキャラクターを使ったアバター接客が可能です。
アバター接客の事例
コンタクトセンターでのアバター接客の事例を紹介します。
SOMPOひまわり生命保険は、若い世代に保険の通信販売をするためアバター接客を実施しています。利用者からは対面で親しみやすいキャラクターが接客してくれるので、気軽に本音で相談できると評価されています。コンサルティング型の営業になるため、平均対応時間は1時間程度と長めですが、成約率は7割に達するということで高い効果を発揮していることが分かります。
▶参考情報:コールセンタージャパン2024年1月号15ページ
リアル店舗でもアバター接客が導入され始めています。
株式会社ローソンでは、東京や九州エリアでアバター接客の実証実験を開始しました。アバター接客により「時間」や「場所」、「年齢」や「性別」、「さまざまな障がい」の制約を無くしていこうとしています。結果、人材不足の解消が可能になるということです。外国人や聴覚障がい者への顧客対応の向上にも貢献することが期待されています。
▶参考情報:<福岡県>アバター接客を九州エリアの店舗に初導入
Bright PatternにVirbeを連携させるメリット
通常、アバター接客をしようとすると「既存のコンタクトセンターシステム」に加えて、「オンライン接客用システム」と、「アバター用システム」を導入しなければなりません。
つまりアバター接客をするために、以下の3つのシステムを使う必要があるのです。
- コンタクトセンターシステム
- オンライン接客用システム
- アバター用システム
「Bright Pattern」であれば、アバター用システム(Virbe)を追加するだけで、アバター接客ができます。
オペレーターは追加されたシステムを意識することなく、「Bright Pattern」の画面上だけで操作していけます。
ひとつのシステムを追加するだけなので運用がシンプルになります。オペレーターもBright Pattern上だけで応対ができるため、ストレスが減り、ミスを減らせます。顧客応対に集中することが可能です。
最後に
今回は、「Virbe」と「Bright Pattern」を連携させてアバター接客をするという試みをしてみました。いかがだったでしょうか。
「Virbe」と「Bright Pattern」を連携したアバター接客によって人材不足の解消をしていけます。さらに顧客体験の向上も実現できます。
「Bright Pattern」によるアバター接客に関心をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
いま「Bright Pattern」をご利用のお客さまも、他社システムをご利用中の方も、さらに「こんなことを試してみたい」「Bright Patternでこれって実現できるのかな」という要望がございましたらどうぞご相談ください。