CXとEXの狭間で(2)― (CX向上のための)EX向上論

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前回のエントリでは、

  • モノよりコト重視の世の中
    • 体験って影響大
    • 購入時の体験ってとても大切
  • モノよりコト思考で、顧客満足度・顧客体験を向上
  • なんでそんなにCX向上って騒ぐの?
    • 体験は記憶に残る
    • コロナ禍は良いOJTになる
    • ソリューションのお試しにも最適な時期

というようなあたりをいろいろと書き綴りました。

 

今回のエントリでは、「(CX向上のための)EX向上論」と銘打ち、CXの向上を見据えたときに密接に絡んでくるEXに目を向けてみたいと思います。

 

EXって何?

そもそもEXとは何なのか。EX( Employee Experience )とは、従業員がその企業で働くこと、そして働き方で得られる体験や経験のことです。ということは、EXは従業員一人一人のモチベーションや意識、社内やチームとの関わりのみならず、お客様との距離やアフターサポートを含むコミュニケーション全てに影響を与える最も根源的なファクターだと言えるかもしれません。

 

なぜEX?

そしてこのEXの向上が今、大きな注目を集めています。

元来日本では、終身雇用制度が主な働き方となってきました。社員が会社の言うことに従って忠実に働く報酬として、終身雇用という安心が保証されていました。ですが近年、その常識はどんどん塗り替えられてきました。いわゆる、モノ世界からコト世界への変遷にあらわされる、消費者や従業員の価値観の変化。それに加えて、先行き不透明な時代が、企業側にもその新たな価値観を受け入れるよう拍車をかけています。今や企業は従業員が働きやすい環境を提供することで、優秀な人材を確保することが求められるようになってきました。

その傾向を示す現象として記憶に新しいというか生々しいのが、やはり昨年のコロナ禍でしょう。従業員を感染からは絶対に守らねばならない。とは言え事業継続は必至。そこで機を逃さず「在宅勤務」に舵を切れたかどうか。あ、でも、在宅勤務がEX向上に即繋がると言いたいわけではないんです。

ポイントは、そうした従業員のニーズに柔軟に応えられる企業は、働き方という側面から従業員を支え、ひとりひとりが、安心して働ける良い環境を提供した、という事実です。そうした新たな働き方の体験は、社員同士のコミュニケーションにもプラスに作用し、かつお客様とのスムーズでフリクションレスなコミュニケーションを通じた顧客体験の向上にも繋がっていくと期待できます。ポジティブなEXは、従業員のモチベーションや能力、対応力向上に直結しますサービスに表れているものはその企業の姿勢であり、従業員の体験こそがその源泉。EXの視点を持って初めて顧客体験の向上が望めるのです。

自分が良い体験をしていれば、相手にも良い体験をして欲しくなり、自分の良い体験をベースとした新たな良い体験の提供ができる(または、したくなる)のではないでしょうか。こう考えると、EXによるCX向上の切っても切れない関係性がより現実味を帯びてくるのではないでしょうか。

 

在宅化でEXを向上させる場合

例えば、「在宅化」という一点に絞って考えてみましょう。

コロナ禍のコンタクトセンターにおいて課題になったのは、密になりすぎるその職場環境でした。それで、BPOやコールセンターを運用する企業にとって、在宅化の実現は避けて通れない課題となりました。―。しかし、オペレータの在宅勤務には様々な課題が存在するため、コールセンターを縮小したり閉鎖したりしなければならなかったケースも少なくありませんでした。

でも、もし在宅化を推し進め、適切に従業員の安全性を保ち、かつコールセンターの機能を止めずに増加する呼量に適宜対応できていれば、従業員の職を確保することで従業員の働き方体験に一つプラスを加えることができます。なおかつ将来を見据えた在宅化という新しい働き方を標準化することで、外出が困難なメンバーや新たに入社する従業員にも幅広い働き方を提供することも可能に。結果として、顧客満足度も維持されます。素晴らしいEXを味わってこそのモチベーションと対応力の向上。その価値が、顧客に還元される。EX向上によるCXの向上というこのシナジー効果は、必然の原理原則なのです。

EXの向上とCXの向上には、間違いなく相関関係が存在していると分かったところで、じゃあどうすれば…とお考えのあなたへ。

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例えば、コールセンターのリモート化や従業員の在宅化をお考えでしたら、こちらの記事などが参考になるかもしれません。そう、Bright Patternです。初耳でしたら、是非この際。ご存知であればなおさらご相談ください。あなたのお困りごとを一緒に解決していきましょう!