今、あらゆるところで話題となっているChatGPT。もしかしたら、「ChatGPTってコールセンターにどう役立つの?」「ChatGPTをコールセンターシステムに連携させると何ができるの?」「とりあえず自前で連携してみたい」と思われるかもしれません。
今回は、Bright Pattern(ブライトパターン)にChatGPTを連携させ、AIに問い合わせ対応の後処理をさせてみます。弊社のセールスマネージャー、年永がトライしてみました。
トライする内容
ChatGPTに、問い合わせ対応の後処理をしてもらいます。
まずオペレーターが対応した内容を「文字起こし」します。その後、ChatGPTに「対話内容を要約」させます。さらに、「対応の良かった点」「対応の改善できる点」を評価してもらいます。
コールセンターの後処理をChatGPTへ任せるメリット
コールセンターの後処理をChatGPTへ任せることによって、業務を効率化できます。
コールセンター白書2021によると、平均後処理時間は「5分~10分未満」が46%、「3分未満」が25%です。平均後処理時間の平均値は6.6分です。
2015年の平均値である5.3分と比較すると、1分以上も増えています。オペレーターの後処理業務は煩雑化しており、後処理時間は長くなる傾向にあるのです。
コールセンタージャパン2023年4月号で秋山紀郎氏(CXMコンサルティング代表取締役社長)は、コールセンターにおけるChatGPTの活用について以下のように提案しています。
「(ChatGPTを)センター内部でオペレータ業務を支援する範囲で利用するのはどうか。例えば、顧客とオペレータとの対話の要約である。これにはセンスが問われ、人によって要約の仕方が異なる。その点、ChatGPTというツールで統一すれば管理もしやすい。」
現時点でのChatGPTには、間違った情報を堂々と提供するリスクがあります。そのため、直接お客さま対応に使うことは今の段階ではためらわれます。しかしセンター内の運用であれば、このリスクを軽減できます。
平均後処理時間を長くする原因は、オペレーターの要約スキルのばらつきや、入力ルールが決まっていないことです。お客さまとの一語一句を入力するオペレーターがいたり、長い問い合わせ後に何を記載したらよいかSVに確認しながら書いたりするので時間が長引くのです。
その点、要約をChatGPTに任せてしまえば、後処理時間を短縮し、要約内容の品質も一定に保てます。
業務の効率化ができる「コンタクトセンターシステム」の提供をしています。
詳しくは資料で紹介しているのでご覧ください。
資料のダウンロードはこちら
ChatGPTとコールセンターシステムを連携する環境
今回の連携を担当した年永に、ChatGPTとコールセンターシステムを連携する環境について聞いてみましょう。
1.Bright Patternのどんな機能を使いますか
「Bright Patternのワークフロー機能を利用します。」
※ワークフローとは、オペレーターが対話を完了した際、システムが自動的に何らかの作業を行なうよう設定できる機能です。
2.Bright Patternのライセンス設定は何ですか
「最安のボイスセレクトプランから利用できます。」
3.Bright Pattern以外に必要なツールは何ですか
「文字起こしには、Google Speech to text APIです。文字要約、オペレーター対応の良かった点と改善できる点のまとめには、GPT-3.5を利用しています。連携先のCRMとしてkintoneを利用しています。」
※Bright Pattern内の内部メッセージで十分であれば、連携先CRMは必須ではありません。
4.必要なAPIは何ですか
「以下の3つです。」
- Google speech to text API:文字起こし
- ChatGPT API :文章要約、オペレーター対応判定
- kintone REST API:レコード更新
ChatGPTとコールセンターシステム連携の手順
1.お客さまとオペレーターの対話内容をまずテキスト化
2.対話内容のテキストをChatGPTへ送付し、要約とオペレーター対応評価の命令を出す
3.ChatGPTからの返答を、Bright Patternの内部メッセージへ出力
4.その後kintoneのレコードを更新
設定の際の注意点
今回は、ChatGPTのパラメータの調整などはせず、デフォルトの設定で試しています。業務によってはChatGPTに投げる際に、パラメータを調整すると精度が向上することがあります。
ChatGPTとコールセンターシステム連携の動作確認をしよう
1.入電
2.オペレーター対応中
3.お客さま対応終了後、対話内容の文字起こし
4.ChatGPTにて要約作成
5.ChatGPTにて対応内容の評価を作成
6.kintoneの後処理画面へテキストが張り付けられる
※動作確認の動画はこちらからもご覧いただけます。
結果
平均後処理時間は通常6.6分ですが、ChatGPTとコールセンターシステムを連携させれば、わずか45秒に短縮できます。1分未満の後処理時間で、「対話要約」「対応の良かった点」「対応の改善できる点」を作成していけます。
後処理時間を短縮させることにより、コールセンターの稼働率が向上していきます。ChatGPTによる対応の評価がワンポイントで行われるので、オペレーターの品質向上も期待できます。結果として、顧客満足度が向上していくでしょう。ぜひ、お試しください。
最後に
今回は、ChatGPTとコールセンターシステムを連携し、問い合わせ対応の後処理をしてみました。
いまBright Patternをご利用のお客さまも、他社システムをご利用中の方も「こんなことを試してみたい」「Bright Patternでこれって実現できるのかな」という要望がございましたらお気軽にご相談ください。