CCWで注目されたコールセンター業界の動向

今年、20週年を迎えたCCW(Customer Contact Week)。世界最大のコールセンターの展示会CCWでは、世界をリードするコールセンター事業者、BPO、システム屋さんが一堂に会し、どのように素晴らしいカスタマーエクスペリエンスを提供しているのか各社の取り組みを見ることができます。また、最新のコンタクトセンターテクノロジーの片鱗を見ることができます。今年のCCWでは、どんなバズワードが飛び出たのか?そのうちのいくつかをお届けします。

オムニチャネル

はい、出ました。オムニチャネル。

オムニチャネル、オムニチャネル、オムニチャネル。まあ確かにここ数年よく耳にするワードです。でも同時に「マルチチャネルとどう違うわけ?」という疑問がついて回りませんか?実は技術通なはずの専門家たちの間でさえも、混乱が見られている状況なんです。オムニチャネル VS. マルチチャネル。愛と憎しみ。光と影。両者は一体どういう関係なのでしょうか?

「マルチチャネル」コンタクトセンターを例に取った場合、複数のチャネルが存在しているものの各チャネルはサイロ化していて、シームレスに連携しているわけではありません。したがって提供するカスタマーエクスペリエンスにも限界があります。反面、オムニチャネルは、1つのエージェントデスクトップ上で、複数のチャネルが連携されるため、エージェントと顧客の両者がチャネル間をシームレスに移動することが可能となっており、すでに説明された情報を繰り返す必要がないので、顧客・エージェントともにとても楽ちんです。

多くの企業がシームレスなオムニチャネル対応の実現を狙っていますが、IQPCやGartner、またOvumなどのコンタクトセンターのアナリストは、オムニチャネルのカスタマーエクスペリエンスを提供できている企業は、たったの5から12%に過ぎないと予測。さて2019年は、オムニチャネルがトレンドワードとしてバズるだけではなく、企業が実際にオムニチャネルを採用して実装するという、いわゆる「オムニチャネル元年」となるのでしょうか?興味深いところです。

「オムニチャネルカスタマージャーニーの創出と評価」という講演の中で、Bright Patternの副社長Ted Huntingさんは、「まず最初に上位に位置する2つのチャネルがオムニチャネルであることを確認することで、オムニチャネル乗り換えのハードルが非常に簡単になる場合があります」と説明。「多くのコンタクトセンターでは、最初のやり取りの大部分がウェブサイトと電話から行われており、この2つのチャネルのシームレスな連携を実現させることで、オムニチャネル乗り換えの難しい部分をクリアすることができるのです」と続けました。なるほど、その後にチャネルを拡張して追加することで、オムニチャネル通信を維持することがだいぶ容易になる、というわけですね。

品質保証

品質保証?何それ、バズるには普通すぎない?そのワード、と思ったアナタ。ちょっとお待ちください。

コンタクトセンターの品質を維持するのって、大変重要なんです。カスタマーエクスペリエンスにおけるリーダー的企業の多くは、様々な指標、KPI、ダッシュボードやウォールボードを駆使しています。そうすることで自社スタッフが高いパフォーマンスを維持できるようにするだけでなく、改善の余地がある部分の分析をすることができます。レポート機能、オムニチャネルレポートや品質管理といったものも、CCWでは熱いトピックになっていました。

そして見過ごせないのがやはりAIとの連携。AIなくしては何も語れないというくらい昨今の世の中はAIに蹂躙されていますが、CCWでもやはりAIはホットな話題。自動化にAIを採用することで、コンタクトセンターにおける品質保証が合理化されるので、より多くの企業が、音声・テキスト分析、オムニチャネル品質管理、そしてセンチメント分析にAIの採用を推し進めています。

CCWラスベガスでは、Huntingさんがオムニチャネルのカスタマージャーニーを評価するためのベストプラクティスを紹介。顧客満足度(CSAT)やネットプロモータースコア(NPS)を向上させるために、すべてのチャネルに渡って顧客の「感情」を追跡することにより、カスタマージャーニー内で問題のある領域を特定し、改善を図ることができます。AIベースの品質管理ツールを使用すると、社内の様々な部署間のやり取りを追跡することもできます。例えば、銀行。新しいクレジットカードと住宅ローンの実績をAIによって自動的に追跡することで、改善点を探ることができるというわけです。AIベースの品質保証。熱いです。

ボット

品質保証の自動化だけがAIの活躍できる場ではありません。ご存知の通りAIは、ボットの作成にも大変有用です。実際CCWでも、「AIとボット」という組み合わせは、多くのセッションで話題を独占していました(必ずしも良い意味でだけというわけではありませんが…)。2018年は、ボット実装が本格化した年で、特にFacebookメッセンジャーのボット導入とウェブチャットボットで大きく前進した年でした。

しかし悲しいかな、優れたイノベーションがあったにもかかわらず、ボットの中にはコスト削減に失敗し、ダメなカスタマーエクスペリエンスを顧客に提供し続けてしまったものもありました。IQPCでは、これは企業が、顧客満足度を向上させるのでなく、単にエージェントの人員を減らしてコストを削減しようとしていたためなのが原因、と分析。IQPCのアナリスト、Brian Cantorさんは、「ボットというのはうまく利用すればCSAT全体を改善して成功させることができますが、やはり顧客中心の考え方をきちんと持ってないと無理ですね」と語ります。顧客中心でなければやはり失敗してしまうのだ、ということです。

ボットの実装に失敗した企業もあれば、成功した企業もあります。Madison Reed社では、顧客が自分の好きな髪の色を選ぶことができるFacebookのチャットボットを実装しました。Altera.aiでは、顧客による旅行・ホテルなどの計画や予約をアシストするトラベルボットを作成。そして南アフリカでは、なんとピザの絵文字を使うだけでピザを注文・発送できてしまうチャットボットまで登場しています。

最後に

というわけで、CCWで注目された、コンタクトセンター業界の動向を探るための一助となるバズワードをちょっとだけ紹介してみました。CCWは、コンタクトセンター業界にとっても大変意義深いカンファレンスであり、かつ新しいアイデアと革新的な方法を提供しています。ここで挙げたバズワード、どうでしたか?思い浮かんだものはあったでしょうか。

コンタクトセンターのオムニチャネル化や、革新的なカスタマーエクスペリエンスの提供を目指しておられましたら、ぜひBright Patternのソリューションをお試しください。AIとボットを利用してカスタマーエクスペリエンスを向上させるオムニチャネルカスタマージャーニーの創造をお手伝い致します。お問い合わせは、Bright Pattern日本正規代理店のCBAまでお願い致します。