
物価や施設利用料の高騰、頻発する地震、さらに夏に向けて増加する台風や豪雨などの水害。コンタクトセンターを取り巻く環境は、かつてないほど多様な課題を抱えています。
加えて、慢性的なオペレータ不足が深刻化しており、コストの見直しやBCP対策、オペレータの最適な配置などは、一度きりの取り組みでは済まなくなっています。
そこで本記事では、これらの課題に柔軟かつスピーディーに対応できる手段として、「クラウドPBX」に着目します。多様なソリューションが提供されている中から、厳選した20のサービスを比較・紹介します。
クラウドPBXの導入を比較している方はもちろん、既存の運用見直しを考えている方にも役立つ情報として参考にしてください。
▼この記事が解決するお悩み▼
国内で評価されているクラウドPBX製品について把握したい
オンプレミスからのリプレイスに不安がある
クラウドPBXとコンタクトセンターシステムの違い・関係がよくわからない
クラウドPBXとは?

クラウドPBXとは何でしょうか。一言でいうと「インターネット経由で利用する、会社の電話システム」のことです。もっとイメージしやすくするために、従来の会社の電話(ビジネスフォン)と比較してみましょう。
従来のビジネスフォン(会社の電話)
これまでの会社の電話は、オフィスの中に「PBX(主装置)」という箱型の機械を設置する必要がありました。PBXを使っていた従来のビジネスフォンの特徴は以下のとおりです。
- 社内に「電話交換機(PBX)」という機械を置く必要がある
- 電話機と交換機は、物理的な電話線でつながっている
- 電話回線のための工事が必要
- 基本的にオフィスの中でしか使えない
この「PBX」という機械が、内線同士をつないだり、外からの電話を各担当者へ振り分けたりする「司令塔」の役割を果たしていました。
クラウドPBX
クラウドPBXは、この「司令塔(PBX)」の役割を、すべてインターネット上のサービスとして提供します。クラウドPBXの特徴は以下のとおりです。
- 社内に機械を置く必要がない
- 必要なのはインターネット回線だけ
- スマホやパソコンに専用アプリを入れれば、それが会社の電話機になる
- インターネットさえあれば、自宅や外出先など、どこでも使える
つまり、自社で電話交換機を持つのではなく、ベンダーが管理する電話交換機をインターネット経由でレンタルするようなイメージです。
クラウド型コンタクトセンターシステムとの関係
「クラウド型コンタクトセンターシステム」とは、電話・チャット・メールなどの複数チャネルを一元管理する包括的なソリューションであり、その中の「音声通話」機能を支える基盤がクラウドPBXです。
簡単に言うと、クラウドPBXは、クラウド型コンタクトセンターを構成する機能の一部(特に音声通話関連)であると考えられます。
クラウドPBXおすすめ20選

さっそくおすすめのクラウドPBXを20種類紹介していきます。国内で評価されている製品を網羅していきますので、自社に最適なソリューションを見つけるのに参考にしてください。
1. Bright Pattern

AIを完全に統合したオムニチャネル・コンタクトセンターシステム。一貫性のある優れた顧客体験の提供を目指して設計されている上、クラウド/オンプレ、インバウンド/アウトバウンド、リモートワーク…あらゆる環境や働き方へ対応可能。クラウドPBXと強力なCTI機能を標準搭載。
機能・特徴:
- クラウドPBXを基盤としたCTI機能により、オペレータ業務が一画面上で完結。すべての問い合わせチャネルからの通話・メッセージ、顧客情報、ナレッジなどがわかりやすく統合された、ブラウザベースのオペレータ用インターフェース
- 多彩なAI機能を搭載。感情分析やオペレータ支援、文字起こし、要約、キーワード抽出、チャットボット…AIルーティング機能では、顧客の問い合わせ内容、過去の対応履歴や属性、オペレータのスキルセット、現在の対応状況などをAIが総合的に判断し、最適なオペレータへ自動的に振り分ける。
- 5〜10,000席まで対応
- LINEを含むあらゆるSNS、CRM、AIとの連携が可能
- WebRTCコールにより、専用アプリケーションのインストールが不要で、ブラウザから直接高品質な音声通話やビデオ通話が可能
- オペレータ・SV専用のモバイルアプリを利用可能
- WFM(ワークフォース・マネジメント)機能搭載
- 金融や銀行、医療機関などで要求される最高度のセキュリティ基準に準拠。AIを活用した声紋認証技術により、顧客の声を登録しておくことで、従来のパスワードや個人情報による確認プロセスを代替・補強
- リアルタイム・ヒストリカルレポート機能で、全チャネルを100%見渡すことができ、ウォールボードのレイアウトは自由自在にカスタマイズ可能。ユーザー企業からも好評な機能。
- ROI回収期間9ヶ月
- 稼働開始までわずか1.3ヶ月
導入事例:
- 株式会社ベルシステム24:
課題→1万7千席を支えるコンタクトセンターの基盤システムがオンプレであるために、コミュニケーションスタイルの変化への対応が難しくなっていた。都度かかる設備投資コストも課題となっていた。
導入効果→新センター・ブースの立ち上げにオンプレシステムで数ヶ月かかっていたところ、Bright Patternの導入で数日〜1週間での立ち上げを実現。立ち上げ期間の大幅短縮を達成できた。数百万〜数千万とかかっていた初期投資も限りなく0へ。 - ロート製薬株式会社:
課題→自社通信販売での月2万件の注文や問いあわせが別々のツールで管理されていたため、それを顧客情報に紐づける作業が非常に煩雑になっていた。業務効率や手作業でのミスも課題だった。
導入効果→Bright Patternの採用で運用コストを20%削減。Salesforceとの標準連携で、オペレータへ負担をかけることなく機能の充実化が実現。 - 株式会社アイティ・コミュニケーションズ:
課題→コンタクトセンターのアウトソーサーとして、様々な業種・規模のお客さまのニーズに対応する中で、業務内容の複雑化および深い専門性が求められるようになっていた。それに伴い、業務効率や品質の向上、人材不足が課題となっていた。
導入効果→BrightPatternとAmiVoiceを連携して、音声認識率98%での運用を実現。社内運用実績SLA値は99.99%を記録。10台必要だったサーバーラックは1台となり、運用コストも大幅に削減。 - ティーライフ株式会社:
課題→Bright Patternの活用により、電話、メール、LINEのチャネルそれぞれに個別のツールを使っていたため、業務の進捗が見えづらく、オペレータの稼働率にも課題があった。業務に合わせたレポートのカスタマイズがしにくく、定量的なコールリーズンの分析もできていなかった。
導入効果→平均後処理時間が10%改善。電話とLINEのマルチタスク化が実現
※導入事例についてはこちらのページをご覧ください。
2. Amazon Connect(AWS)
概要: AWS提供のCTIシステムで、PBXなどの機器と回線もクラウドにて提供されている。電話・チャット・SMSなどオムニチャネル対応で、AWSが基盤のため、柔軟な拡張性やグローバル対応力にも優れているのが特徴。
機能・特徴:
- Amazon Lex連携IVR:自然言語を使ったAI IVR対応と自動会話フロー構築
- Amazon ConnectのAI機能を無制限に使用できる
- 問い合わせフローは、GUIで直感的に作成可能
- Amazon Connect Voice ID の機能では、機械学習を使用してリアルタイムの発信者認証と不正リスクを検出し、音声対話のさらなる高速化と安全化を実現
導入事例: DoorDash
AmazonLexとの連携でIVRへの誘導に成功し、オペレータへの転送が49%削減、初回解決率が12%増加し、運用コストは前年比で300万USD削減された。一方で一日あたり10万件以上の通話(消費者、販売者だけでなく、ドライバーからの電話を含む)に対応可能となっている
3. Genesys Cloud CX
概要: 電話・チャット・メール・SNSなどあらゆるチャネルを統合し、リアルタイムと履歴のAI分析でコミュニケーションを高度化するクラウドPBX搭載型CCaaS。
機能・特徴:
- 対話型AI・生成AI・予測AIを使ったルーティング、エンゲージメント、会話要約、感情分析などをネイティブ搭載
- Amazon Web Services(AWS)上で稼働しており、企業としてのプライバシーマークやISO27001、SSAE-16などの世界基準の企画認証を取得している
- 新機能AI Studio(2025年6月リリース)は、ノーコードおよびローコードで、バーチャル・エージェントを迅速に設計・導入・管理できるよう支援する
導入事例: 外為どっとコム
コールフローの修正が社内で完結できる上、週次の新機能リリースを取り込める。導入後は応対件数が増加し、1通話あたりの時間短縮には成功、初回解決率100%をキープできている。
4. Twilio Flex
概要: クラウドPBX型で、フルカスタマイズ可能なコンタクトセンタープラットフォーム。カスタマイズ性が高く、1週間以内でスピーディーに導入できるというメリットが特徴。
特徴・機能:
- Google Cloud Contact Center AIとの連携により、チャネル横断で自然な対話応対を実現。一方で単一のUIで利用できるので、オペレータの負担を最小限に抑えられる
- 費用が従量課金制のため、スモールスタートが可能
- 完全プログラマブルなUI・ルーティング・ワークフロー設計が可能、既存システムとの連携も自在
導入事例: Toyota Connected
Twilio Flexの導入により、オペレータによる後処理時間が13%削減され、月刊平均処理時間が18%削減された。また、データの即時性と透明性が実現されたり、お客さまが後からでも同一オペレータに接続できるようになったりして、さらなる顧客体験の向上が実現した。
5. Nice CXone
概要: オムニチャネル対応クラウド型コンタクトセンターシステムで、CCaaSとVaaSの機能をオールインワンで提供。CXプラットフォームには、業界最大のデータセットと、数十億の顧客応対データに基づいてトレーニングされた顧客体験に特化したAIを標準搭載されている。
機能・特徴:
- 顧客向け会話型AIチャットボットが、自然な会話で顧客のニーズに適したナレッジを提案
- CXone Agent Integratedなどにより、Salesforceとの高度な統合が可能
- 年に3回の新機能リリース
- アウトバウンドコールにおいて03の番号で発信可能
- 1席から数千席まで対応可能
導入事例: ゲートファーム株式会社
国内各地からリモートで行うアウトバウンド業務において、セキュリティや通話品質を重視するべく導入。導入後まもなく、アウトバウンドコールの不在率が65%から50%台へと大幅削減。高品質な通話により、相手先から聞き返されることも減った。
6. Zendesk
概要: Zendesk Supportに統合された電話対応用クラウドPBX。電話だけでなくチャットやメールも統合管理可能。ブラウザで電話の受発信ができるため、導入がスムーズなだけでなく、顧客満足度の高い対応をすることができる。
機能・特徴:
- 既存のPBXを活かした設計にも対応
- 通話の録音が無制限。追加アプリの利用で、通話録音データを自動でテキストデータ化することも可能
- ボイスメール機能により、営業時間外や休日時に顧客が留守番電話を残すことができるので、あとからのフォロー・サポートがしやすい
導入事例: 大丸松坂屋百貨店 (参考記事)
従来では、電話とメールを問い合わせ対応の中心とし、応対履歴や引き継ぎを紙で行っていた。その状況の課題として、作業の煩雑さや情報の紛失リスク、データ集計・分析の非効率性が顕在化。ZendeskとAmazon Connectの連携後は、電話での問い合わせ率が76.8%から70.4%に減少し、1件あたりの処理時間は約5分の1に短縮。有人チャットの利用は50%増加し、顧客満足度(CSAT)87.88%に向上
7. BIZTEL
概要: 国内企業向けに開発されたクラウド型コールセンターシステム・クラウドPBX。電話・チャット・Web会議に対応。物理電話機・PBX不要で本格的なクラウドPBX運用が可能。スマホアプリオプションもあり。
機能・特徴:
- 2000社を超える導入実績をもち、国内シェア率は8年連続No.1
- 24時間365日対応の電話サポートが用意されている
- 通話中にリアルタイムで音声をテキスト変換可能。テキストデータは通話履歴と共に保存されるので、顧客対応を可視化できる
- ChatGPT・Slackなどと連携可能
導入事例: 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
3拠点のシステム環境を統一したことで、拠点間の数値を比較し、課題を見つけ、組織的に改善へ取り組めるようになった。また、システムをクラウドで統一・連携したことで作業効率が改善。作業の自動化により、手動によるリスクが低減した。
8. MiiTel
概要: 電話・Web会議・対面での全てのコミュニケーションを最適化する上で役立つ音声解析AI。クラウド型IP電話なので、電話機や交換機(PBX)は一切不要で、最短3営業日で利用スタートが可能。
機能・特徴:
- スマートフォン用アプリケーションのオプションあり
- リアルタイム文字起こしやリアルタイムFAQの機能で、フォロー工数の削減や、マニュアルを検索する工数を削減
- AIを活用した議事録作成が可能
- トーク内容のスコアリング機能があり、アルゴリズムは自由に設定可能
導入事例: 株式会社ゆうちょ銀行
「オペレータの架電の応対品質向上支援にあたり、客観的・定量的なモノサシがほしかった」「コロナ感染拡大等のBCP対策として、分散受電体制の整備が急務だった」という課題に対し、MiiTelを導入。オペレータごとにレーダーチャートを作成し、各オペレータが伸ばせる部分を把握・取り組める環境を作っている。BCP対策の点においても、2拠点・分散受電ができる体制を整備できた。
9. Ameyo J
概要: 通信キャリアが運営するコールセンターシステムで、全世界で 4000社以上の導入実績をもつ。多言語・グローバルに対応できるクラウドCCaaS。
機能・特徴:
- 通話料金は「秒課金」なので、通話コストを平均30%、最大57%カット
- 株式会社アイ・ピー・エス・プロは回線提供事業者でもあり、大手の回線事業者の再販だけではなく総務省から認可を受けた自社回線も提供しているため電話回線や電話番号に関する知識豊富な担当者に相談できる
- 最低10席から最大1,500席まで対応
- 通話料金定額プランでの「かけ放題」がある
導入事例: 兼松サステック株式会社
営業スタッフとのコミュニケーションを固定電話で行っていたが、部署の新設にともない、「ノウハウを共有できるソリューション」としてAmeyoJを導入。業務効率の大幅アップにより、コール数が3倍以上になった。
10. Avaya Experience Platform
概要: Microsoft Azureパブリッククラウド上で実行されるスケーラブルなクラウドベースのソリューション。オンプレミスとクラウドの利点を最大限に活用したハイブリッドモデルにより、既存のコンタクトセンター資産を効果的に活用できる。
機能・特徴:
- 特定のAIに依存しないオーケストレーションで複数のモデルを管理
- AIノイズ除去機能で、よりクリアな音声通話を実現
- SalesforceやServiceNow、Dynamics等と連携可能
導入事例: アフラック
導入後、2年以内に顧客満足度が11%向上し、平均処理時間は15%短縮された。SVの在籍期間が10%増加し、経験豊富で有能なオペレータがより定着している。
11. Freshdesk
概要: ハードウェアやアプリインストール不要でたった2分で開始できるクラウドCTI/PBX。現在50,000社が使用中で、パートナーであるオレンジワン株式会社が独自のオンボーディングを提供しているので、海外製品にありがちな言語の心配もなし。
機能・特徴:
- シンプルなインターフェース
- 電話・メール・問い合わせフォーム・X・Facebookなど、あらゆるチャネルを一元管理
- 世界的なITレビュー機関のG2 Crowdからは何度にもわたり最優秀ソフトウェア賞を受賞
- AIによるFAQ自動提案機能
導入事例: セブンイレブン・フィリピン
レポートの透明性の欠如や、限られた範囲でのカスタマーサポート分析が課題だったセブンイレブン・フィリピン。Freshdesk導入後は、チケットの98%をSLA内で解決、初回応答時間を3時間に短縮。通話の95%をSLA内で解決という効果が出ている。
12. Omnia Link
概要: クラウドPBXを基盤としたコールセンター向けトータルテレフォニーソリューション。AIを利用した通話音声のリアルタイムテキスト化、FAQリコメンデーション、生成AIによる自動要約等の機能を提供している。
機能・特徴:
- 通話の即時テキスト化を標準搭載
- AIによる要約制度は90%以上
- AI-FAQシステムによって、AIがFAQ候補を自動で表示
- 新人の研修時間を36%削減。くわえて、研修途中の退職率も20%削減に成功
- 最短1週間かつ低コストで導入可能
導入事例: SBIアルヒ株式会社
オペレータの状況把握が難しく、SVの負担が大きくなっていた。オムニア導入後、シートマップ上でオペレータの稼働状況を一目で把握できるように。会話内容が自動でテキスト化されるので、通話中から確認できるようになった。
13. 楽天コネクト SmaCom
概要: 業界最安値級の低価格で、簡単かつ迅速に導入できる、クラウド型小・中規模コンタクトセンター向けシステム。オフィス電話として利用できるクラウド型PBXの機能も備えており、コンタクトセンターとオフィスの両方で利用可能。楽天コミュニケーションがライセンスと電話回線をワンストップで提供・サポートする。
機能・特徴:
- 初期費用0円、導入まで7営業日
- 導入実績は1200社以上
- 1〜300席に対応
- インターネットブラウザでのオペレーション画面なので、アドレスフリーで利用可能
14. Blue Bean
概要: インバウンドでもアウトバウンドでも利用できる豊富な機能が標準搭載されたオールインワン型コールセンターシステム。Asteriskをベースとして独自開発したシステムで、PBX機能、独自開発のCTIやCRM機能をパッケージング。
機能・特徴:
- 5〜130ライセンスまで、1ライセンス刻みで契約可能
- 最低利用期間はなく、申し込みや変更、解約時は日割り請求
- AIによる文字起こしと要約のオプション機能あり
- 既存のIP回線をそのまま利用可能
導入事例: テクマトリックス株式会社
部署ごとの段階的な導入として10ライセンスからスタートし、現在では30ライセンスを利用。追加料金無しで4000ほどの内線番号を使えるという特徴を活かし、社員一人に2内線で運用できている。IVRの設定の自由度の高さもあり、オフィス電話としての利便性の高さを実感している。
15. Bell Cloud+
概要: ベルシステム24が提供するクラウド型次世代コンタクトセンターシステム。日本アバイア社のPBXを活用し、音声認識、感情分析、チャットボット、ボイスボット、ビジュアルIVRなどの最新テクノロジーを提供。
機能・特徴:
- 繁閑差に対応する月単位の従量課金制
- 情報セキュリティの国際規格「ISO27001」「ISO27017」を取得
- パッケージ化された構築手法により、最短3ヶ月という短期間での運用スタートを実現
導入事例: はなさく生命保険株式会社
在宅を含むコンタクトセンターを短期間・低コストで拡張し、事業継続性を強化。新設の大阪のコンタクトセンターを短期間で立ち上げつつ、コストを抑えることに成功した。インターネット回線により安定稼働するため、タイムリーに席数を増やせている。「AmiVoice」との連携により、保険業界特有の課題である「耳慣れない病名などの復唱・確認」にもアプローチできている。
16. Zoom Phone
概要: Zoomミーティングと同じアプリケーション上で利用できる電話システム。AIを搭載したプラットフォームで、デスクトップからもモバイルデバイスからも利用可能。
機能・特徴:
- 基本ハードウェアの購入は不要で、定額通話プランを活用すれば通話料金を固定化
- Zoomアプリ上でWeb会議・電話・チャットを統合、アカウントをまとめて利用や管理を一元化できる
- 高い音声品質
導入事例: 株式会社ドリームワールド
テレワーク環境下でどこからでも受電・架電できるようにすることを目的として、ZoomPhoneを導入。導入後は、業務において場所や端末の制限を受けることがなくなり、利用し慣れているZoomのアプリで難なくコミュニケーションを図ることができた。
17. MediaCalls
概要: メディアリンク株式会社が独自開発したオールインワン型コールセンターシステムで、IP-PBX/CTI/ACD/レポート/通話録音を標準装備している。中〜大規模のインバウンド型コールセンター向けのソリューションで、100%自社開発にすることで低コスト化を実現している。
機能・特徴:
- 総コストを75%以上削減可能
- 100種類超えの統計項目から、レポートを自由にカスタマイズ
- 1席単位での契約が可能なので、エージェントの増員に即時対応可能
導入事例: 小田急電鉄株式会社
MediaCallsによってオペレータごとにスキルや対応状況を可視化できるようになったため、オペレーションのミス削減に成功。くわえて、スキル練度に応じたIVRの要件振り分けを実施できるようになり、評価時におけるオペレータと評価者の認識のズレを防止できるようになった。
18. トビラフォンCloud
概要: クラウドPBXを利用した設備投資不要のクラウド型ビジネスフォンサービス。スマートフォンに専用アプリケーションを入れるだけで、外線・内線・転送・グループ着信・IVR(自動音声応答)など、ビジネスフォンに必要な機能が利用可能に。
機能・特徴:
- 迷惑電話フィルタ機能や、事業者名称表示機能など、トビラシステムズが蓄積したビッグデータを用いた独自の機能を搭載
- 通話内容の自動テキスト化機能を無料搭載
- 着信拒否したい番号の任意登録が可能
導入事例: 注文住宅の設計・施工・販売などを行うハウスメーカー
電話対応における情報共有が、正確かつ効率的になった。電話番号や要件がわからなくなるという課題に対しては、通話録音機能によってアプローチ。他にも、営業時間に応じて自動で留守電へ切り替えることができるようになったり、Salesforceとの連携によって過去の履歴を含めて顧客情報を瞬時に確認できるようになったりしている。少人数で電話対応をしている会社や部署におすすめだと語る。
19. InfiniTalk
概要: クラウド/オンプレミスの両形態に対応。クラウドPBXの場合は、初期費用無料で即日開通画可能なので、導入・運用コストを大幅に削減できる。月額10,000円〜利用できて、小規模利用に最適。
機能・特徴:
- パソコンが苦手な人でも使いやすいデザイン
- オペレータの会話を自動で録音・文字起こし
- オムニチャネル対応
- Salesforceやkintoneなど各種CRM・SFAとの連携が可能
導入事例: 岩塚製菓株式会社
電話が鳴ると同時に連携しているCRMの画面が自動で起動するので、顧客情報を検索・確認してから受話器を取るという手間とロスタイムを解消できた。気になっていたビジネスフォンのノイズもクリアになり、通話音声の品質向上に成功。
20. Voiper
概要: 低価格でありながら多機能を誇り、イン/アウトバウンドに両対応できるクラウド型CTIシステム。初期の大規模投資は不要で、必要なライセンス費用のみから利用できるので、コストを抑えながら運用できる。
機能・特徴:
- AIによるリアルタイム翻訳、自動議事録作成、通話内容のデータ化機能
- 多角的なレポートでセンターの現状を可視化できる
- 5ブースから利用可能
- 提供元であるアライブネットが展開する格安電話回線「AliveLine」を併用すると、通話料金が最大95%割引となる
クラウドPBXの5つのメリット

クラウドPBXを活用する大きなメリットについてまとめていきましょう。
場所や端末の制限を受けずに会社番号で発着信ができる
クラウドPBXであれば、オフィスに設置したビジネスフォン、スマートフォン、タブレット、パソコンのどの端末においても、会社番号を使った発着信が可能です。在宅オペレータなど多様な働き方に柔軟に対応していけます。外出先やテレワーク環境でも顧客や取引先を待たせることなくスムーズに対応できるので、顧客満足度の向上や信頼獲得にも有効です。
導入ハードルが低い
クラウドPBXは、最低限の初期費用でスピーディーに導入できるため、導入のハードルが低いというメリットをもちます。初期費用については、数十万から数百万かかることもあるIP-PBXに比べると、クラウドPBXは1〜5万円前後と、初期費用がかなり安く抑えられる傾向にあります。導入期間においては、大がかりな機器の設置工事が不要なため、最短即日や3日などで開通できるソリューションもあります。
運用コストの削減
クラウドPBXでつないだ電話機同士は内線扱いとなり、通話料が無料となります。また、クラウドPBXによる通話料の相場は、区域内外に関係なく3分8円が相場です。通常かかる3分10〜30円と比較すると、大きなコストカットとなります。
AIとの連携で高度なサービスを実現
現在は生成AIの活用が急速に進歩しています。紹介した20種のコンタクトセンターシステムを含め、多くのシステムでAIによる通話内容・感情の分析、文字起こし・要約、議事録作成などが搭載されるようになっています。クラウドPBXだからこそ、+αの便利機能が活用できます。今後は、AIによってもっと多用で高度な自動化や分析機能が提供されていくでしょう。さらなる顧客体験の向上や、エフォートレスなオペレータ業の実現が期待できます。
BCP対策に有効
クラウドPBXは、インターネットさえつながれば自宅でも通常通りの電話業務を行えます。インターネット回線がつながっている限りは、(端末の故障などの特殊な状況を除けば)災害直後であってもオペレータが安全な場所から業務を継続できるということです。インフラ業界や自治体など、有事の時にこそ電話ニーズが増大します。突如として増大するコールにも柔軟に対応できるのがクラウドPBXの強みの一つです。社員が所有する端末を使って対応人数をスムーズに増やせるので、急増する問い合わせにも迅速に対処していけます。
クラウドPBXの3つの注意点

クラウドPBXには多くのメリットがありますが、注意点もいくつかあります。
インターネット環境に依存する
インターネット回線が不安定だと、通話の音声が途切れたり、悪くなったりすることがあります。安定したネット環境が必要です。
月額費用がかかる
機器の購入費用がない代わりに、毎月のサービス利用料が発生します。
一部の電話番号が使えない場合がある
サービスによっては、「110」や「119」などの緊急通話や、一部のフリーダイヤルに発信できない場合があります(最近は対応しているサービスも増えています)。
【3ステップ】クラウドPBXの選び方

クラウドPBXは多くの会社から提供されており、「料金が安い!」というだけで選んでしまうと、「音が悪い」「欲しい機能がなかった」といった失敗につながりがちです。
そうならないために、以下の3ステップで自社にピッタリのサービスを見つけていきましょう。
1. 導入目的をハッキリさせる(なぜ導入したいのか?)
まず一番大切なのが、「なぜ、クラウドPBXを導入したいのか?」を具体的にすることです。ここがブレると、後でサービスを選ぶ軸がなくなってしまいます。
導入目的の例
- テレワークのため: 社員が自宅や外出先から会社の番号で電話できるようにしたい
- コスト削減のため: 高額なビジネスフォンのリースをやめて、月々のコストを抑えたい
- 業務効率化のため: 電話の取次ぎをなくしたい。顧客情報を連携させたい
- 拠点間の連携のため: 複数の支店・営業所間の通話をすべて無料の内線にしたい
- オフィスの新設・移転のため: 電話工事の手間や費用をかけずに、すぐに電話環境を整えたい
- その他
ポイント 自社の目的を2〜3個、優先順位をつけて書き出しておきましょう。これがサービスを比較検討する際の「ものさし」になります。
2. 必要な機能を洗い出す(何ができれば満足か?)
ステップ1で決めた目的を達成するために、どんな機能が必要かをチェックします。多機能なサービスほど高価になる傾向があるので、「絶対に譲れない機能」と「あったら嬉しい機能」に分けて整理するのがおすすめです。
チェックしたい主な機能
機能の種類 | 具体的な機能 | こんな会社におすすめ |
---|---|---|
基本機能 | ・内線通話 ・外線発着信 ・保留、転送 | すべての会社 |
テレワーク向け | ・スマホアプリ ・WFM(スマホでシフト申請/管理ができる) | テレワークや外出が多い会社 |
業務効率化 | ・IVR(自動音声応答 例えば:「営業に関するお問い合わせは1番を…」) ・日本語に強いAI通話録音&要約 ・CRM/SFA連携(顧客管理システムとの連携) | 電話の取次ぎが多い、顧客対応の品質を上げたい会社 |
その他 | ・FAX機能(クラウドFAX) ・Web電話帳(社内共通の電話帳) | FAXをよく使う、社員数が多い会社 |
ポイント とくに「スマホアプリの使いやすさ」はテレワーク目的の場合、非常に重要です。無料トライアルなどで実際に触って確かめましょう。
※Bright Patternはスマホアプリでの応対やWFMに対応しています。
3. 料金体系を正しく比較する(本当に安いのか?)
料金は、月額料金の安さだけで判断してはいけません。「トータルでいくらかかるか」で比較することが重要です。
チェックすべき料金の内訳
初期費用: 契約事務手数料や初期設定費用など。キャンペーンで無料になることも
月額基本料: サービス全体の利用料
※AWSなどのサーバー費用に左右される料金体系かどうか、をチェックしましょう。サーバー費用の注意点についてはこちらのページをご覧ください。
ライセンス料(ID料金): 利用する社員の人数 × ○○円、という形でかかります
※ネームドライセンスは費用が高くなる場合があるため注意してください。詳しくはこちらのページをご覧ください。
導入後のサポート: コンタクトセンターシステムの導入後に、回線障害やシステムエラーが発生することがあります。問題が発生したときに十分なサポート体制があるかどうかを確認しましょう
※売り切り製品の場合、導入後のサポートを受けられないことがあるので気をつけてください。
オプション料金: 通話録音やIVRなど、追加機能の月額料金。特に一番安いベーシックプランにどのような機能が含まれているかをチェックしましょう
※Bright Patternはベーシックプランに「コールバック機能」「3つのアウトバウンド機能」「レポート機能」が含まれています。詳しくはこちらのページをご覧ください。
ポイント 最低でも2〜3社から、自社の利用人数や必要な機能を伝えた上で見積もりを取り、総額で比較検討しましょう。
クラウドPBX導入 よくある質問(Q&A)

Q1. 今のビジネスフォンより安くなりますか?
A. はい、安くなるケースが多いです。特に、高価な交換機(PBX)の購入や電話工事が不要なので、初期費用を大幅に削減できます。
Q2. 通話の音質は大丈夫ですか?
A. 安定したインターネット回線があれば、固定電話とほぼ変わりません。多くのサービスで無料トライアルができるので、契約前に試してみるのがおすすめです。
Q3. スマホで本当に会社の電話が使えるんですか?
A. はい、使えます。専用アプリを入れるだけで、個人のスマホで会社の代表番号として発信・着信ができるようになります。プライベートの番号を知られる心配もありません。
Q4. 導入は難しいですか? 工事は必要ですか?
A. 大がかりな電話工事は不要です。インターネット環境さえあれば、Web上の設定とアプリのインストールだけで、かんたんに始められます。
Q5. 今使っている会社の電話番号はそのまま使えますか?
A. はい、多くの場合はそのまま引き継げます(番号ポータビリティ制度)。ただし、一部条件によっては引き継げない番号もあるため、契約前に必ず確認しましょう。
Q6. 何かデメリットはありますか?
A. インターネット環境に依存する点がデメリットです。ネットが不安定だと音声が途切れたり、停電でルーターの電源が落ちると電話が使えなくなったりします。
Q7. どんな会社におすすめですか?
A. テレワークを導入したい企業、多様なニーズを持つお客さまに対応したい企業、複数の拠点を持つ企業など、場所にとらわれず柔軟な電話環境を求めるすべての企業におすすめです。
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最後に
クラウドPBXには多方面でのメリットがあります。また、同じクラウドPBXでも、製品によって強みとする機能や導入スピード、費用などが大きく異なります。
知名度や企業への導入数だけでなく、自社が求める条件に合致した製品かどうかを比較検討するようにしましょう。
ぜひ資料請求やトライアルを積極的に利用し、自社にぴったりの製品を導入してください。