コンタクトセンターシステムで大切なのは、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供することです。そのためには、従業員エクスペリエンスを向上させていくことがカギとなります。両方を達成できるコンタクトセンターシステムとは何でしょうか。
この記事では、業界で評判の良い「Bright Pattern(ブライトパターン)」と「Genesys Cloud CX」の2製品を比較していきます。2つのシステムには異なった特徴がありますので、最適なコンタクトセンターシステムを選ぶ際の参考資料になるでしょう。
最後には、Bright Pattern社の経営レポートや成長に関する情報も掲載しているのでご覧ください。
本記事は以下の方におすすめです。
- オムニチャネル化を検討しているコンタクトセンター
- Genesys以外にもコンタクトセンターシステムを導入しようとしている企業
- AVAYAの代わりにBright PatternとGenesysのどちらを導入するか検討している管理者
Bright Pattern(ブライトパターン)とは
Bright Pattern(ブライトパターン)とは、クラウド上でオムニチャネル対応をするために必要な環境をすべて提供してくれるコンタクトセンターシステムです。各問い合わせチャネル(音声、メール、チャット、映像、SNSなど)を一元管理し、一画面で対応できます。
オペレーターやSVなど現場レベルのユーザーから使いやすいと評価されています。安価なベーシックプランの機能が充実していることも評価されているポイントです。
Genesys Cloud CXとは
Genesys Cloud CXとは、優れた顧客体験と、従業員体験を実現するために必要な機能を備えたコンタクトセンターシステムです。
低価格なプラン構成やアプリマーケットプレイス「ジェネシス AppFoundry」のソリューションが充実していると評判です。ルーティングシステムやモバイル機能の性能の高さも評価されています。
「Bright Pattern」と「Genesys Cloud CX」の比較
これからBright PatternとGenesys Cloud CXを、コンタクトセンターの現場管理者や経営陣が重視する「構築期間」と「費用対効果」で比較してみます。さらに実際に使用しているユーザーからの評判や、細かな機能の分野でも比較していきますので参考にしてください。
構築期間
現在のコンタクトセンターに新しいシステムを導入し、運用を開始できるまでの期間は、早ければ早いほど企業にメリットをもたらします。
Bright Patternの構築期間―1.5か月
Genesys Cloud CXの構築期間―3.73か月
※2023年4月の情報(https://www.brightpattern.com/bright-pattern-versus-other-call-center-solutions/)
Bright Patternは新規のコンタクトセンター立ち上げや、既存の拠点に新規導入する際に短期間で導入できます。
Bright Patternは現場の作業を妨げないため、従業員エクスペリエンスを向上させます。すぐにサービスが開始できるため、カスタマーエクスペリエンスの向上にも貢献します。
費用対効果
費用対効果の指標として使われるROI(※)を使って、Bright PatternとGenesys Cloud CXを比較してみましょう。
Bright PatternのROI―11か月
Genesys Cloud CXのROI―34か月
※2023年4月の情報(https://www.brightpattern.com/bright-pattern-versus-other-call-center-solutions/)
Bright Patternは投資額に対して利益が出たと実感できるまで1年もかかりません。
Bright Patternは現場から経営陣へ「コンタクトセンターの経営貢献」をアピールしやすいコンタクトセンターシステムです。
※ROIとはReturn On Investmentの略で、投資額に対し、どれほどの利益が出たかを示す指標です。
ユーザーからの評判&各機能の比較
Bright PatternとGenesys Cloud CXを17の項目で比較しています。比較はG2クラウドの2022年のデータに基づいています。
ユーザーからの評判を比較
Bright PatternとGenesys Cloud CXのユーザー評価をいくつか比較してみましょう。2製品に対する率直で正直な口コミを掲載します。
・Bright Patternの口コミ
「Bright Patternはサポートが手厚いので安心して利用できます」
「Bright Patternがほかのベンダーと違っているポイントはスピーディに導入ができることです」
「本当にオムニチャネル対応ができるのでエージェントからの評判が良いですし、CRMや人事システムとも簡単連携できるので助かっています」
「ときどき設定したアラートが送信されないことがあります」
「オペレーターがログアウトを忘れると、翌朝の営業開始時にルーティングされてしまいます。ルーティング先の受信時間を指定できれば助かります」
「もっと設定画面やUIを細かく設定させてほしいです」
・Genesys Cloud CXの口コミ
「Genesysはチャット、メール、SMSのやり取りを一つのシステムだけでできるので便利です」
「Genesysのおかげでオペレーターはどこからでも問い合わせ対応ができるようになりました」
「Genesysの通話品質は素晴らしいです。WebRTCを利用すれば、お客さまはブラウザから簡単に利用できます」
「UIやAPIからデータにアクセスしようとすると、遅延が発生することがあります」
「これまで使っていたコンタクトセンターシステムと比較すると、エラーが発生しやすいです」
「大きな不満はないのですが、もう少しカスタマーエクスペリエンスやカスタマーサクセスが良くなれば嬉しいです」
上記の口コミはすべて以下の比較サイトからご覧になれます。
①Gartner Peer Insights
②Capterra
9つの製品機能で比較
Bright PatternとGenesys Cloud CXをとくに現場が重視する9つの機能で比較してみましょう。現時点でBright PatternがGenesys Cloud CXより優れているポイントは以下の3つです。
- 通話機能
- 電話システム
- ボイスメールとメッセージング
Bright Patternは、コンタクトセンターシステムに本来求められる通話機能や電話システムをおろそかにしていません。今後、お客さまのニーズが高まるボイスメールやメッセージングも得意です。
さらにダイヤラー、モバイル機能、分析機能はGenesys Cloud CXと同程度と評価されています。
上記の比較からBright Patternは、以下のコンタクトセンターにオススメな製品であることが分かります。
- 音声対応の品質を下げたくないコンタクトセンター
- ChatGPTなどAIを活用したボイスメール、チャット、メッセージングを強化したいコンタクトセンター
- カスタマーエクスペリエンスを向上させたいコンタクトセンター
5つの比較サイトの総合評価
Bright PatternとGenesys Cloud CXを比較しようと思うとき、「比較サイトが多すぎて検討が面倒くさい」と感じるかもしれません。
上記の表はカスタマーサービス向けの製品比較でよく利用される代表的な比較サイト5つをピックアップし、各サイトの評価を掲載しているものです。
Bright Patternが総合的にユーザーから使いやすいと評価されていることが分かります。
※2023年4月時点の情報です。最新情報はSelectHubからご覧ください。
「Bright Pattern」が「Genesys Cloud CX」ユーザーに提供できる5つのメリット
もしかしたら現在Genesys Cloud CXをご利用かもしれません。Bright PatternはGenesys Cloud CXユーザーに、これまで体験できなかった5つのメリットを提供することができます。
1. アウトバウンド機能の充実
Bright Patternにはプレディクティブダイヤラーが標準で搭載されています。プレディクティブダイヤラーを搭載するために追加のコストを払う必要がありません。
Bright Patternのベーシックプランには、標準で3つのアウトバウンド機能が搭載されています。
- プレディクティブダイヤラー
- プログレッシブダイヤラー
- オートダイヤラー(IVR)
Bright Patternを導入するだけで、インバウンド事業もアウトバウンド事業も両方を同時にスタートできます。またはアウトバウンド機能が必要な時だけ使うことが可能です。
2. 席数カウントでの価格表示
Bright Patternはお得な「席数カウント」を採用しています。オペレーターの数が増えるたびに利用料が増えていく「ネームドライセンス」ではありません。
「ネームドライセンス」は1ライセンスあたりの価格は安くても、トータルで高額になることがあります。なぜでしょうか。
たとえば24時間体制のコールセンターで10席4シフトで回した場合、ネームドライセンスでは40人分のライセンス料が必要になります。
しかし席数カウントの製品であれば、10席分のライセンス料だけで済むのです。
いつも少人数で決まったオペレーターだけで回しているコールセンターであれば、ネームドライセンスのメリットがあります。しかし契約社員やパートも含めて一定数のオペレーターで運営しているセンターでは、席数カウントの製品のほうがお得になります。
3. トータルコストの低さ
Bright Patternは、音声チャネルだけを見るなら一見価格が高いように思えます。しかし「メールチャネル」や「LINEチャネル」を増設していくと、結果的にBright Patternが安くなるケースが多々あります。
Bright Patternでは操作マニュアルを追加で購入する必要もありません。
さらに初期費用や導入費用を合わせると、トータルコストが競合製品よりも安くなります。
4. KINTONEとの連携
Bright Patternは、kintoneと簡単に連携ができます。kintone環境にBright Patternのオペレータデスクトップウィジェットを追加することが可能です。あるいは、Bright Patternに、kintoneをCRMとして連携し、Bright Patternからkintoneの顧客データへアクセスすることも可能です。
5. 柔軟なサーバー運用が可能
Bright PatternはAWSだけで運用するクラウド型コンタクトセンターシステムではありません。いろいろなサーバー上で運用することが可能です。
AWSだけでしか運用できないシステムには、以下のデメリットがあります。
- AWSが値上げをしたら影響を受ける
- AWSの付加サービスの価格に影響を受ける
Bright Patternは、AWSに左右されずにコスト管理をすることが可能です。
6. ユーザー目線のサポート
Bright Patternのカスタマーサポートは対応が遅くなることがありません。「質問に対する答えがしばらく返ってこなくて困る!」ということがないので安心して運用できます。
国内ユーザーの「もっとこうすればBright Patternは使いやすくなるのに」といった機能改善の要望に、何の返答もない、何の改善も見られない、ということもないので安心してください。もちろんすべての要望を反映できるわけではありませんが、できることとできないことの説明は丁寧にしていきます。
弊社(株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニュー・略称CBA)は国内ユーザーの要望を丁寧に聞き出すことをモットーにしています。またユーザーの課題を言語化するお手伝いも行います。現場でなぜ業務がうまくいっていないのか原因を言語化し、対策を共に考えます。Bright Patternの既存機能や最新機能を使ったソリューションの提案も積極的に行います。
CBAはBright Patternの単なるリセラー業者ではありません。CBAはBright PatternのVAR(Value Added Resseler)、つまり付加価値再販業者として活動しています。たとえば、Bright Patternと弊社のオンライン接客システムLiveAssistと組み合わせたソリューションを提供したり、ユーザー企業のカスタマーエクスペリエンスや従業員エクスペリエンスを向上させるためのソリューションを一緒に開発したりします。
これまでCBAはBright Patternの初期パートナーとして国内市場を拡大してきました。そのため国内ユーザーからの要望を米国Bright Pattern社に伝え、製品の改善を促しやすい立場にあります。
営業のひとこと:LINEチャネルの運用など国内ユーザーの要望をBright Patternは積極的に取り入れてくれています。CBAは今後もBright Patternとさらに協調して国内ユーザーが運用しやすい環境を整えていきます。
弊社の社長と副社長が米国ブライトパターン社を訪問しました。
— 株式会社コミュニケーション・ビジネス・アヴェニュー (@cba_japan) April 6, 2023
より一層ブライトパターンが国内市場へコミットしていくよう様々な施策を展開していきます。
引き続きご期待ください!#BrightPattern#ブライトパターン pic.twitter.com/TcmvYLuTyt
Bright Patternの評判
「Bright Patternは、国内ユーザー数がGenesys Cloud CXほど多くないけど大丈夫なのか」と不安になるかもしれません。
すでにBright Patternは、26ヶ国以上12言語で使用され高い実績を積み上げてきました。
国内でも「株式会社ベルシステム24」「ロート製薬株式会社」「株式会社アイティ・コミュニケーションズ」といったお客さま企業を筆頭に、ユーザー数は増えています。弊社CBAがBright Patternと連携しながら丁寧なサポートをユーザーへ提供していきます。
国内事例:https://brightpattern.cba-japan.com/usecases/
外部からの評判
さらに、Bright Patternは累計40万件以上のレビューが投稿されている世界最大手の比較サイト「G2」で高く評価されています。「G2 Crowd Fall 2022」において、複数のカテゴリーで1位にランクインしました。2019年にも「G2 Crowd」の評価で競合製品より顧客満足度が高いとの記録を残しました。
参考情報①:https://cba-japan.com/pr_bp_g2crowdfall2022/
参考情報②:https://www.brightpattern.com/press-release/bright-pattern-announces-record-growth-profitability-2022-milestones/
米国トランスコスモス社はBright Patternを導入しており、「オペレーターへのトレーニングの簡単さ」「オペレーター管理のしやすさ」を高く評価しています。
参考情報:https://www.brightpattern.com/wp-content/uploads/2020/08/Transcosmos-Case-Study-2020.pdf
Bright Pattern社の経営レポート
Bright Patternの2022年における経営レポートと成長に関する情報は以下の通りです。
- ユーザー企業が500社を超える
- 過去最高の予約数と収益
- 10四半期連続黒字化を達成
- ラテンアメリカの収益が前年比で2倍(ペプシ社や世界最大手の地中海輸送会社をはじめとする新規顧客の売り上げが貢献)
- EMEAでの事業拡大
今後も、さらに革新的な技術の導入と、ユーザーの利便性を追求することで成長していくことでしょう。
最後に
Genesys Cloud CXは低価格で追加できるソリューションが豊富と良い評判を得ています。一方、Bright Patternも導入期間が短い点やオムニチャネル対応など現場での使い勝手の良さ、そして費用対効果の高さが評価されています。
Bright PatternとGenesys Cloud CXのどちらを導入しようか検討している際には、両方の特徴や得意分野を比較してください。
Bright Patternであれば、短期間のうちにカスタマーエクスペリエンスと従業員エクスペリエンスの両方を向上していけます。