ボイスボットのメリット5つ| Bright PatternのIVRなら LINEコールPlusと連携可能

Robot Android AI Working In Call Center

「お電話ありがとうございます、***でございます。○○については(1)を、○○については(2)を、その他については(3)を押してください…」。この文章を見ただけで音声が脳内再生されるほど、私たちの生活の中に馴染んでいる従来のプッシュトーン型IVR、または電話自動音声応答システム。 

これまでのIVRには、「担当者との接続にかえって時間がかかる」「自分の問い合わせが何番に該当するのか分からない」といった課題が残っていました。結果として顧客満足度の向上が思うように達成できていません。さらに呼量の削減という問題も解決できずにいます。 

この記事では、近年急発達しているAIを活用したボイスボット(対話型IVR)に注目します。まずボイスボットのメリット・デメリットを解説し、Bright Patternの対話型IVRの活用事例も紹介していきます。Bright PatternのIVRとLINEコールPlusとの連携についても説明するのでぜひ最後までご覧ください。 

ボイスボットのメリット5つ

ボイスボットとは、ひとことで言えば「AI自動応答システムを活用した音声チャネル」です。お客さまはAIに用件を話すだけで、適切なオペレーターに繋いだり、ボットによって回答を得られたりします。 

お客さまにとってメリットがあることは明らかですが、ボイスボットはコールセンターにとっても大きなメリットとなります。ボイスボットがコールセンターにもたらす5つのメリットを紹介します。 

1. 業務効率化と呼量削減 

ボイスボットは、お客さまの悩みのヒアリングと解決策の提示、適切な部署へのルーティングを自動で行います。 

既出の通り、従来のIVRは「自分の用件がどの案内番号に該当するのかわからない。とりあえずオペレーターに繋いで対応してもらおう」という流れを生み出しやすいものでした。 

無事にオペレーターへ繋がりはするものの、よりふさわしいオペレーターへ誘導するためにお客さまを部署間でたらい回しにしてしまったり、簡単な問い合わせから複雑な問い合わせまでの全てがコールセンターへかかってきてしまったり…といったように、かえって顧客満足度低下や呼量の増加を引き起こすリスクがありました。 

対して、ボイスボットが一次ヒアリングを行い、お客さまへ適切な解決策を提示・解決できればどうなるでしょうか。オペレーターへ電話が繋がることはなく、呼量削減が成功します。ボイスボットでの解決が難しい問い合わせだとしても、どこの部署に繋げば良いのかのルーティングが自動で行われるので、電話接続後にお客さまをたらい回しにする恐れはありません。 

業務の効率化や呼量削減はもちろん、適切なオペレーターへ接続されたことによる応対時間の短縮化、電話一本あたりの時短に伴うセンター全体の稼働率の向上が期待できます。 

2. オペレーターのストレス軽減 

近年「問い合わせ」とひとことに言ってもさまざまなチャネルがありますが、依然として電話での問い合わせが主流です。時間的、身体的、技術的な理由によって、FAQなどの自己解決ツールを確認しないまま電話をかけるお客さまもいらっしゃいます。当たり前ですが、電話をかけてくるお客さま全てが複雑な問い合わせをしたいわけではありません。 

FAQに掲載しているような比較的簡単な問い合わせに関しては、ボイスボットのみで解決を図ることが可能です。ボイスボットによる解決でオペレーターの受電数が減れば、その分オペレーターのストレス軽減、クレーム・カスハラのリスク回避が可能になります。 

オペレーターへ接続される際にも、ボイスボットによるヒアリング内容を把握した上で応対を始められるので、やはりオペレーターの負担軽減や、お客さまのストレス予防(たらい回し防止、同じ説明の繰り返し防止など)へ繋がります。 

オペレーターのストレスが減れば、離職を予防することができ、優秀な人材が定着しやすくなります。コールセンターが抱えがちな人材不足や離職率の高さといった問題へのアプローチも見込めます。 

3. あふれ呼や放棄呼によるチャンスを逃しにくい 

ボイスボットによる自動受付で、回線数不足で起きるあふれ呼や、オペレーターへの接続時間の長期化に起因する放棄呼の発生を防げるので、機会ロスが起きにくいというメリットがあります。 

当然ながら、「電話が繋がらない」「待ち時間が長い」といったお客さまの不満も解消されます。 

4. 営業時間外の対応が可能になる 

ボイスボットで問い合わせ対応が可能であれば、24時間365日のセンター稼働も可能になります。人間のオペレーターで24時間365日稼働を目指そうとすると、シフト制または当番制で回すためにオペレーターの人数が多く必要となります。各オペレーターにも身体的負担がかかります。しかし、ボイスボットがあれば完全無人にすることはもちろん、待機するオペレーターの人数を最小限に抑えることができます。 

また、待機するオペレーターを無理にセンターへ出勤させず、在宅ワークで電話待機してもらうことができるかもしれません。いずれにしても、ボイスボットによって営業時間外の問い合わせ対応を可能にしつつ、オペレーターにかかる負担の軽減も期待できます。 

5. コスト削減 

コールセンターにおいてコストがかかる分野といえば、やはり人件費です。一般的なお客さまからの電話には、全要素を加味した上で電話一本あたり約5.5ドル(2023年6月現在の日本円で769円)かかるとのデータがあります。しかし、この769円のほとんどは、オペレーターの人件費によるものです。 

例えば、電話の一次受けを行っているオペレーターがボイスボットに代われるようであれば、浮いた人件費と人材をよりコアな業務へと振ることができます。コストカットができるだけでなく、人材の再配置、業務強化が可能です。 

ボイスボットのデメリット3つ

ここまででボイスボット導入のメリットについて説明してきました。デメリットもいくつかありますので紹介します。 

1. 複雑な回答への対応が難しい 

ボイスボットという性質上、音声のみで情報を伝えることが難しい(写真やイラストなどの視覚的イメージが必要なレベル)問い合わせには、ボイスボットのみで対応・解決は現状では困難です。オペレーターへの接続が必須となります。 

2. 問い合わせ内容を正しく理解できない場合がある 

ボイスボットはお客さまの声を認識して分析するため、喧噪や雑音などの周辺環境、不安定な通信環境に精度が左右されやすいデメリットがあります。従来のIVRは周辺環境に左右されることはないので、ボイスボット独特のデメリットと言えます。 

3. 従来のIVRよりも認識精度が劣る場合がある 

お客さま自身に問い合わせ内容と合致する番号を押してもらう従来のIVRに比べれば、ボイスボットはどうしても精度が劣ってしまいます。従来のものでは、お客さまが操作ミスによって番号を押し間違えるなどがない限り、精度に関しては問題がないからです。 

ボイスボットの場合は、「問い合わせ内容に関する音声をうまく認識できていない」、あるいは「音声からの分析が正確ではなかった」といった認識精度の問題がついて回ります。 

ボイスボットの展望 

ボイスボットはコールセンターにとって大きなメリットとなることを説明してきました。とはいえ、実際にボイスボットを使うのはお客さまです。「お客さまはボイスボットに抵抗感を感じないだろうか」と心配になるかもしれません。 

トランスコスモス株式会社が実施した「音声AIサービス(ボイスボット)利用実態調査2022」によれば、ボイスボットの利用体験率は約5割に迫っています。従来のIVR体験率との差はあまり大きくありません。つまり、思った以上にボイスボットがすでに浸透しているということです。 

加えて、ボイスボットでの解決率は5割を超えています。コールセンターからすれば、呼量を半分削減できていることになります。お客さまにとってボイスボットが実用的であることは明白ですが、呼量削減の観点でも効果が抜群であることが分かるでしょう。 

ボイスボット利用時の感想について見てみると、目立つのはやはり精度の低さです。「精度」や「人間味」の点でオペレーターに勝るものはありません。とはいえ、ボイスボットにおける技術的な進歩はますます加速することでしょう。 

この数ヶ月で大きな話題を呼んでいるChatGPTなども、すでにボイスボット界へ参入してきています。音声認識の精度や内容の精度はますます向上するはずです。 

このような話題になると大抵「AIに仕事を取られる」という懸念が出てきますが、「ボイスボットにオペレーターの代わりをしてもらう」「AIがオペレーターになる」ことを期待または心配するよりは、「ボイスボットは同僚」と認識する方が良いでしょう。 

単純で簡単な問い合わせに関しては、スピードを重視してボイスボットに任せる。複雑だったりホスピタリティが重視されたりする対応にはプロフェッショナルなオペレーターが対応する。

このように適材適所で役割分担をしていくなら、コールセンター全体はますます効率よく、ハイクオリティなサービスを提供することができるようになります。 

ボイスボットを効果的に活用していければ、「繋がらない」「待たされる」「時間外」の3大不満要素へのアプローチが見込めるのです。

Bright Patternのボイスボットにはどんな特徴がある?

ボイスボットには多くのソリューションがありますが、Bright Patternは3つのIVR(プッシュトーン型IVR、ビジュアルIVR、対話型IVR)を自由に使えるクラウド型コールセンターシステムです。 

Bright Patternのボイスボット(対話型IVR)はAIと連携して、各顧客にぴったりなセルフサービスを提供できます。ボットとお客さまの会話はテキスト化され、オペレーターがすべて確認していけます。最終的に電話がオペレーターへ接続されても、履歴を確認しながら対応をすることが可能です。 

▶ボイスボットの使用シーンを動画で確認したい方はこちらから 
※ページの中ほどに動画があります。

Bright Pattern自体にAIは搭載されていません。「AIを搭載していないコールセンターシステムなんて実用性が怪しい…」と思われるかもしれませんが、Bright Patternのボイスボットで使われるAIは、外部の音声テキストエンジンを使用します。 

連携できるAIシステムとしては、Google AI、IBM Watson、GoVivaceなどです。Bright Patternに独自のAIが搭載されていないことは、拡張性が高いということです。AI技術に突出したシステムや、各コールセンターの業務に特化したAIシステムを選んで使用できます。コールセンターにはかえって強みとなり得ます。 

Bright Patternのボイスボットの利用で感じる5つのメリット

ここでBright Patternのボイスボットが持っているメリットについて紹介します。 

業務スピードと効率の向上 

ボイスボットはお客さまに柔軟に対応し、通話を適切なオペレーターに直接繋ぐことができるので、従来のIVRに比べてお客さまへエフォートレスでシームレスなサービスを提供していけます。ボットでの対応なのに「パーソナライズ」を実現できるのです。 

高い費用対効果 

さまざまな問い合わせチャネルの中でもまだまだ電話が主流であることは間違いありませんが、それでも電話離れが進み始めている実情も忘れてはいけません。とくに若者からは電話が嫌われつつあります。しかし、Support Tech Labによる分析では、電話が避けられている理由には以下のようなものがあります。 

  • 混み合っていて、いつかけてもつながらない 
  • 待ち時間に流れるBGMのリピートにうんざりする 
  • 自動音声で分岐させた誘導が面倒 
  • オペレーターと話をすると緊張する

興味深いことに、アメリカの消費者の半数以上が従来のIVRを理由に商取引を放棄しているという調べもあります。 

上記のような理由で電話が避けられているのであれば、AIが対応するボイスボットはお客さまにとって非常に効果的なサービスであると言えます。

ボイスボットによって言わば適切な「人間離れ」が実現できると、人件費の削減とオペレーターが直接受電する数の削減が同時に実現します。 

顧客満足度・顧客体験の維持向上 

お客さまが従来のIVRを嫌う場合、顧客離れが発生してしまいます。Zendeskのレポートによると、顧客の3/5は「企業のロイヤルティはサポートの品質に依存する」と述べています。 

ボイスボットによって顧客が望むパーソナライズされたサポートが提供されると、顧客満足度や顧客体験の向上と、それに伴う顧客ロイヤルティの獲得が期待できるでしょう。 

拡張が簡単 

ボイスボットの拡張は無限に可能と言っても過言ではありません。外国語をサポートするAIツールを連携させれば、お客さまの母語でサポートを提供できるからです。 

企業イメージの向上 

従来のIVRはもはや「嫌われ者」となりつつあります。コールセンターに必須とも言えるはずの機能ですが、顧客満足度を低下させる原因ともなっています。 

楽天コミュニケーションズ株式会社の記事によれば、「総合的な顧客満足度が90%を超えるコールセンターでも、IVRに対する満足度はその半分にも満たず50%を割ってしまうことも珍しくない」とされています。

従来のIVRだけでなくボイスボットが活用されているというだけで、コールセンターとしてのイメージ、ひいては企業としてのブランドイメージ向上に大きく寄与します。 

Bright PatternのIVR機能でボイスボットのデメリットを打ち消す方法 

Bright Patternのボイスボットだけでも大きなメリットがあることを説明しましたが、少し前で触れた通りBright Patternには3つのIVR機能(プッシュトーン型IVR、ビジュアルIVR、対話型IVR)が搭載されています。 

3つを自由に切り替えできると、ボイスボットがもつデメリットを補いつつさらにカスタマーサポートを強化することが可能です。 

3つのIVRを活用すると以下のことが達成できます。 

1. 要件に応じて振り分けーサービス内容が多岐にわたる場合に、要件やサービスカテゴリごとに担当オペレータにコールを振り分け 

2.セルフサービスの提供ー営業時間外に基本的な質問の回答をお客さまが自動音声(ビジュアルIVRの場合はテキスト)で解決するセルフサービスの提供 

3.コールバックー待ち呼やあふれ呼に対する推定待ち時間の通知、コールバックの予約受付            

上記の特徴を活かしたユースケースを紹介します。 

Bright Patternならできる柔軟なIVR運用

Bright Patternの3つのIVR機能(プッシュトーン型IVR、ビジュアルIVR、対話型IVR)を活用した柔軟なIVR運用について紹介します。

複雑なIVRも簡単設定 

Bright Patternのシナリオビルダーを使うと、ドラッグアンドドロップだけでIVRを作成することができます。複雑な設定やコーディングは一切不要です。 

シナリオビルダーには、CRMとの連携や顧客情報の参照、コールバックの設定、ファックス送信、Eメール配信、電話発信など、IVRに必要なあらゆる設定項目があらかじめ用意されており、それらを組み合わせるだけの簡単作成が可能です。 

もちろんインバウンド、アウトバウンドの両方に対応しています。 

結果として数・初期投資ともに節約でき、スピーディに始められます。メンテナンスもしやすいのが魅力です。 

ビジュアルIVRとボイスボットの切り替えができる 

Bright Patternはオムニチャネル対応のコールセンターシステムのため、お客さまが問い合わせてきたチャネルに合わせてスムーズにIVRを切り替えられます。 

柔軟なIVR運用
ビジュアルIVRへの切り替えにLINEを使えます

「音声通話から、ビジュアルIVRまたはボイスボットへの切り替え」「チャットやモバイルアプリから、ビジュアルIVRまたはボイスボットへの切り替え」といったようにです。 

電話からビジュアルIVRに移行する際のURL送信には、SMSだけでなくLINEを利用することもできます。 

よりよいサービスの提供につながるデータ収集と分析 

顧客情報とIVRの利用履歴からデータを収集、分析できるので、IVRの改善、セルフサービスの使い勝手の向上に活かしていけます。 

Bright PatternのIVRなら「LINEコールPlus」との連携が可能 

また、LINEコールPlusも使用可能なので、お客さまは通話料をかけずにサポートを受けられます。 

営業からのひとこと:Bright Patternの既存ユーザーで、すでにLINEコールPlusで受付を導入している企業さまもいらっしゃいます。 

ビジュアルIVRを入り口として、WebRTCやLINEコールPlusの選択肢を用意しておくと、海外在住者や海外旅行者からの電話を受けられます。もちろんその際のお客さま側の通話料は無料です。このメリットも、BPユーザーから大変注目されています。 

上の2枚の画像のように、お客さまに合わせてIVRを切り替えできると、視聴覚障害をもつお客さまへの対応も可能になります。3つのIVRへの入り口さえ設けていれば、お客さま自身がIVRを選択して使用することができます。 

オムニチャネル対応のコールセンターシステムであり、3つのIVR機能の全てを使用できるBright Patternならではの強みです。 

最後に

カスタマーサポートのチャネルは日々多様化しています。しかし電話でのサポートには根強い人気があります。だからこそ、従来の使い古してきた方法から脱却し、カスタマーサポートを一歩先へと進めなければいけません。 

そのための一つの手段が、ボイスボットの活用です。これを機にボイスボットの導入をぜひ検討してください。 

弊社はカスタマーサポートを一歩先へ進めるためのお手伝いをいたします。Bright Patternについて気になった方は、お気軽にご相談ください。