2021年はどんな年に(2)

2021-2

モバイル熱再騰

その昔。

人間は、物理的にその場を共有している個人同士でコミュニケーションすることしかできませんでした。つまり、「一緒にいる人とだけ」お話ができたわけです。その状況を劇的に変えたのが、皆様ご存知、電話の発明。この魔法のような発明により、遠く離れた場所にいる個人と会話ができるようになり、人間のコミュニケーションの幅は格段に広がりを見せたのであります。

それでも当初は、電話機が置いてある場所でしか電話は利用できませんでした。その後電話機は各家庭に普及し、やがて携帯できるまで小さくされて、誰もが持っているレベルにまで浸透していきます。かつては電話を持っていないが為にお互いすれ違い、そしてそのすれ違いがストーリーのコアな部分を占めていたトレンディドラマも、携帯電話の登場とともに少しずつ様変わりしていく…など、社会的に大きな変革をもたらしてきました。

そんな携帯電話至上主義だった世界に、またしても技術の大波が押し寄せます。皆様ご存知、スマートフォンの登場。スマホさえあれば単なるウェブ閲覧のみならず、アプリを入れることで、様々な機能が利用でき、これまでになかったインタラクションも片手で可能に。そしてこのコロナ禍、そんなモバイルの利便性に、並々ならぬ熱視線が浴びせられているのであります。

最近実施されたある調査によると、ソーシャルディスタンスによる「会えない」状況下で、回答者の4割以上が、これまでに増してスマホを利用している、と答えています。そして、3割近くは「買い物に何らかのショッピングアプリを利用している」ことも明らかに。消費者の購買行動にこれまでになく食い込んでいるのがモバイル、ということなのです。この事実は、5G技術の躍進、2画面スマホの発売や、Googleのモバイル優先インデックス志向などによって、裏付けられてもいます。ウェイトが、本当にモバイルにシフトされてきている。

そういった背景を踏まえ、「ポストコロナ時代のコンタクトセンター」という文脈に注目したとき、ソーシャルメディアチャネルに加えて今後重要になってくるものとして、メッセージングアプリが真っ先に挙げられるでしょう。日常のやり取りは、ビジネスでもプライベートでも、メールよりメッセージングアプリが主流になってきているのではないでしょうか。リアルタイムでも後からでもコミュニケーションでき、またドキュメントやエクセルファイル、画像に動画などの共有も行えてしまうため、コンタクトセンターもこのチャネルをしっかりと取り込むことでCXの向上を見込めます。ポストコロナ時代のコンタクトセンターには、「オムニチャネルでシームレスな顧客対応を実現し、お客様のイライラを果てしなく低減でき、かつお客様のお望みのチャネルでスムーズなCXを提供できるソリューション」が必然だと思われます。

AIでCX 向上を!

ステイホームやソーシャルディスタンスが叫ばれるコロナ禍で増えているもの、それは体重…ではなく、呼量です。そう、問い合わせがかつてなく急増しているのです。呼量の増加は世界的な流れではありますが、ここ日本でも同じ現象が観測されています。例えば、コロナ禍における消費者の問い合わせ動向に関するある調査によりますと、消費者の4割において企業や店舗、自治体などへの問い合わせ行動が増加していますが、その理由は「外出自粛で店舗に直接確認できない」「新しく使い始めたサービスや機器が増えた」から。。また問い合わせの手段も、電話やメールに加えてウェブやLINEなどのチャット、問い合わせフォーム、ビデオ通話、LINEなどのアプリ通話と、今までになく多様化していることが見て取れる調査結果となっています。

となると、そういったお問い合わせ窓口を務めるコンタクトセンターは、呼量の増加に対応しなくてはいけない。しかし、今はコロナ禍、ただでさえ密なセンターの感染対策に四苦八苦する中で、急増する呼量に対応してCXのレベルを維持するのは至難の業。センターによっては、顧客対応担当者の安全確保を優先して、いち早く従業員の在宅勤務化にシフトしたところも。しかし、在宅勤務によるセンターのリモート化で、果たしてこれまでのCX品質を保つことはできるのか…悩みは尽きません。

しかしそんな中で脚光を浴びているのがAIです。「AI?今さらじゃん…」と思ったあなた。ちょっと違うんです。AIがすごい、なんて騒いでいたのは過去の話です。さらに一歩踏み込んで「AIをどのように戦略的に使うか」が、2021年のコンタクトセンターにおける新常識となっています。そして新型コロナウイルス感染拡大という特殊な環境は、そんなAIの有用性と必要性を如実に示してきました。例えば、大手AIのIBM Watsonは、2020年の2月から4月にかけて、トラフィックが4割も増加。AIの利用でチャットボットや対話型IVRがより高度化しただけでなく、実装の簡素化も実現されたことも相まってここまで増えたと分析されています。AIベースのそうしたツールは、膨大なナレッジベースから必要な情報をサクサクと検索・抽出し、人間のオペレーターにサジェスト。オペレータは問い合わせが増加したとしても、面倒な作業をAIベースのツールに任せてしまえばいいわけですから、より大事な「人間を相手にした作業」に集中できることになります。より少ないリソースで、より多くの作業と高い生産性を実現できる。そうするには、「ここぞ」というところにきちんとAIを投入することが戦略として重要になってきます。

ますます台頭するモバイル、AI。そしてそこへシフトしていくお客様の行動様態。CXをこれまで以上にスムーズにかつ満足度の高いものにするには、やはりそれなりのソリューションが必要になってくる…ことにお気づきでしょうね。ぜひBright Patternをお試しください。御社のニーズに、きっとかなうはずです。